12月7日(日)、水戸芸術館で現在開催中の「日常の喜び」関連企画として、西尾さんの「かぞくのせいふくワークショップ」が開催されました。
ぼくとスタッフの百瀬は早朝に出発し、特急ひたちに乗って水戸へ。水戸芸術館は日比野克彦さんの「一人万博」や川俣正さんの「デイリーニュース」展をはじめ、次々と面白い企画をしている最も注目の美術館です。
会場に着くとスタッフの皆さんが集まっていて、会場の設営を行っていました。このワークショップでも古着を使って、着て遊んだり、古着を切って作品を作ったりするのですが、水戸市近隣の市民の方々から集めた1tくらいあろうかという大量の古着が・・・。服を床に並べ、グルーガンやミシンなどの道具と作業代を準備し、お昼を食べて打ち合わせ。
ワークショップはまず自己紹介から始まって、人間彫刻ゲーム(例えば4人で「動く自動車」を表現する)をして緊張をほぐしてから、実際の作業へ。
まず、家族やグループで集まっている参加者を一度シャッフルします。そして、服を使って、今日初めてであったメンバーと服を使って「擬似家族」を作ります。メンバー同士で「家族」の役割を決めて、お父さんなら「お父さんっぽい服装」、娘なら「娘っぽい服装」を選ぶことで、服装によって「家族のイメージ」を再現してみるのです。服を着替えたらみんなで写真を撮るのですが、「あぁーなるほど」という家族写真が出来上がっていました。
次に、元の家族やグループに戻って、今度は一般的な家族のイメージには当てはまらない「自分たちらしさ」を服にして表現します。互いの共通点を話し合ったり、同じ素材で服を作って交換し合ったり、それぞれのやり方で「らしさ」をあらわす服を作っていきます。最後に出来上がった服を着て記念写真を撮って、その服装のまま「日常の喜び」の展示を見に行きました。
その後、水戸芸の学芸員の方々と今回のスタッフの方々と西尾さんと一緒に食事に行きました。数々の展覧会やアートプロジェクトを手がけている森司さんもいらっしゃって、ド緊張して何も話せないかと思ったのですが、がんばって「アーティスト・イン・児童館」と「ことばのかたち工房」の話をしてみました。森さんは本当に気配りの上手な方で、とても親しみやすく、すっきりとした語り口でプロジェクト自体へのアドバイスだけじゃなく、キュレーターとしてのぼくへのアドバイスをしてくれました。まさかそんな話をしてもらえるなんて思っていなかったのでオロオロしてしまったのですが、嬉しい。面白いと思ってもらえた証拠だと、勝手に思っています。
アドバイスをもらっただけでなく、「また何かあったら相談して」と言ってもらったり、あまった古着を譲ってもらえることになったり、森さんが関わっている「北本アーツキャンプ」の手伝いをさせてもらえることになったり・・・・・・・あまりに多くのものを収穫してしまった水戸への小旅行でした。
「ことばのかたち工房」は今後また新たな展開を見せていくかも知れません。
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「日常の喜び」
■会場 水戸芸術館現代美術ギャラリー
■入場料:一般800円、前売・団体(20名以上)600円
(中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料)
■会期
2008年10月25日(土)~2009年1月18日(日)
休館日:月曜日、年末年始12月27日(土)~1月3日(土)
*11月3日、24日、1月12日(月・祝)は開館、翌11月4日、25日、1月13日(火)は休館