2009年4月28日火曜日

4/27 トークセッション第一弾!



4月27日(月) 16:30~18:00


第一弾 トークセッション「地域の声」開催

昨日、「ことばのかたち工房」展 関連企画のトークセッション第一弾が開催されました。
アーティスト西尾美也さん、北澤潤さん、東大泉児童館の高橋陽子さん、もんじゃ屋わらべの加藤輝幸さんにご出席いただき、3月まで東大泉のまちを舞台に開催されていた「ことばのかたち工房」の活動
を振り返りながら、今年度の展開を考えていくというライブミーティングは、予想以上に面白かった。

今回のトークの中で、いくつか重要なキーワードが出てきました。

まずは、「利用し合う関係」。
今回の「ことばのかたち工房」を通して、西尾さんが、商店街の方々が、児童館の方が、工房スタッフが、子どもたちが、このプロジェクトを媒介に互いに利用し合う関係ができていた、ということをトークのなかで発見しました。西尾さんは子どもたちをスタッフとして利用し、商店街の方々は自分の紹介として利用し、児童館の職員さんは子どもが大人と触れ合う機会として利用し、工房スタッフは子どもと触れ合う機会として利用しました。「アーティスト・イン・児童館」というプログラムを多くの人に利用してもらえる仕組みにするという一つの目標が出来上がりました。

次に、「縦のつながり」。
人と人とをつなげ、関係を横に広げることだけではなく、“縦の関係”をつくっていくことの重要性についての議論もありました。今児童館に通っている子が、18歳、19歳になったとき、ぼくたちとまた“出会いなおす”ことがあったとしたら、そこには10年近い月日を経るという“縦の関係性”が存在します。ぼくらと彼らの物語がある時点で終わってしまうのではなく、生まれ続けるということなのでしょう。

そして「アーティストは誰なのか?」。
ことばのかたち工房」において、「アーティスト」という肩書を持つ西尾さんがつくったものは、作品ではなく、「ことばのかたち工房」という“遊びのシステム”でした。実際に作品を作ったのはぼくたちスタッフや子どもたち。そして、最後にその作品を身につけるというパフォーマンスをしてくれたのは豆腐屋さんやお花屋さん。「アーティスト」は、子どもたちなのか、工房のスタッフなのか、西尾さんなのか、モデルさんなのか、それともこの活動を受け入れてくれた児童館の職員さんなのか・・・。アートは人が人と関係を持つための“術”だから、「アーティスト」じゃなくてもその術を使うことができる、あるいはもう使っているのだと思います。「もしかしてアーティストは私だったのかな?」という気付きから、また何か新しく動き始める予感がします。 


この3つのキーワードを素材として、5月7日(木)のトークセッション第二弾で、「これからのアートプロジェクト」のその意味を、藤浩志さん、森司さん、そして西尾美也さんと共に考えてみようと思います。武蔵野美術大学内には「芸術なんていらない。」というポスターが貼ってありますが、それはこのトークセッションの裏テーマです。
 
  
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5月7日(木)16:30~18:00 [開場 16:00]
武蔵野美術大学9号館5階プレゼンルーム
トークセッション第二弾「これからのアートプロジェクト」
出演:
藤 浩志  (アーティスト、藤浩志企画制作室代表)
森司   (財団法人東京都歴史文化財団 東京文化発信プロジェクト室 プログラムディレクター)
西尾美也 (アーティスト)
臼井隆志 (アーティスト・イン・児童館 実行委員会 代表)

※1 当日は混雑が予想されます。整理券などはございませんのでお早めにお越しください。
※2 トークセッションの後、ささやかですが懇親会も開催いたします。お時間がある方はぜひご参加ください。

2 件のコメント:

usui さんのコメント...

わらべの加藤さんのブログにこの日のことが全7回に渡ってつづられています。とても面白いうえ、鋭い指摘の連続です。美術、大学、まちに関わる方々にぜひ読んでいただきたい。
「わらべのつぶやき」
http://blogs.yahoo.co.jp/warabe401/57650388.html

わらべ さんのコメント...

わらべの加藤輝幸です。

この日感じたことを、9回に渡って僕のブログに書きました。

芸術に無縁だった僕の感想、的外れなことも多々あるかと思います。

ご意見ご感想なりいただけるとうれしいです。