2008年12月28日日曜日
2008年12月22日月曜日
2008年12月21日日曜日
ことばのかたち工房 第五回 12月20日
今日は08年最後の「ことばのかたち工房」。
この間の宝店会議で出会った「さろん・ど・さかえ」の長濱さんが、お子さんとその友達二人をつれてきてくれたり、水戸芸術館でのワークショップで知り合った西内さんがはるばる茨城からやってきてくれたり、いろんなところと繋がってきたなぁと実感した一日でした。
午前中は、1年生の女の子3人とスタッフ総出で「いらっしゃいませ」という「ことばのかたち」にとりかかり、豪華で大きな扉をつくることに。「こんな感じ?」と、簡単なサンプルを作ってみると、みんな「それいいね」と確信したようで、すっと作業モードに入っていきました。
1時間ぐらいして、ぼくは前回の終りのほうから作り始めた「気持ちをしめる」にとりかかります。これは今まで工房を荒してばかりいたある男子との共同制作で、ひょんなことから彼がダンボールに落書きした「お面」をつくることになったのです。目の位置や角の生え方など、ディティールは彼と相談して決め、細かい作業はぼくが受け持ち、グルーガンで張り付ける作業などは彼にやってもらいました。いろんな子が出来上がった「お面」をかぶって児童館の中を歩きまわっていたのですが、おもしろかったのは、みんな口々に「何それ!変!」とは言うものの、そんなお面があること自体はそれほど疑問に思っていない様子だったこと。ヘンテコなものが次々と生まれている「ことばのかたち工房」の活動が、徐々に徐々に「あたりまえ」になりつつあるのかなと思います。
今日は比較的落ち着いた雰囲気で、高学年男子の台風のような勢いもなく、ある男の子は工房で昼寝をしていました。(寝不足だったらしい…。)そんな雰囲気の中、今日は4つの「ことばのかたち」が完成。また来月16日に「第六回 ことばのかたち工房」がありますが、その時が早くも待ち遠しい。
終わった後、みんなでお世話になってる「もんじゃ焼き わらべ」へ。ビールを片手にあーだこーだと話し合い、今後の方向性も随分と見えてきました。でも、「プロジェクト」と名前の付くものを、その場限りで終わらせず生かし続けることの難しさとその意義を、改めて今考えます。
「続いてたらイケる。その理由は、イケてないと続かないから。」
これは僕の友人が言っていた言葉なのですが、その通りだと思います。今回のこのプロジェクトが「イケてる」活動なら、今後も続いていくだろうと思うし、そうでないならそれまでだな、と。
がんばります。
この間の宝店会議で出会った「さろん・ど・さかえ」の長濱さんが、お子さんとその友達二人をつれてきてくれたり、水戸芸術館でのワークショップで知り合った西内さんがはるばる茨城からやってきてくれたり、いろんなところと繋がってきたなぁと実感した一日でした。
午前中は、1年生の女の子3人とスタッフ総出で「いらっしゃいませ」という「ことばのかたち」にとりかかり、豪華で大きな扉をつくることに。「こんな感じ?」と、簡単なサンプルを作ってみると、みんな「それいいね」と確信したようで、すっと作業モードに入っていきました。
1時間ぐらいして、ぼくは前回の終りのほうから作り始めた「気持ちをしめる」にとりかかります。これは今まで工房を荒してばかりいたある男子との共同制作で、ひょんなことから彼がダンボールに落書きした「お面」をつくることになったのです。目の位置や角の生え方など、ディティールは彼と相談して決め、細かい作業はぼくが受け持ち、グルーガンで張り付ける作業などは彼にやってもらいました。いろんな子が出来上がった「お面」をかぶって児童館の中を歩きまわっていたのですが、おもしろかったのは、みんな口々に「何それ!変!」とは言うものの、そんなお面があること自体はそれほど疑問に思っていない様子だったこと。ヘンテコなものが次々と生まれている「ことばのかたち工房」の活動が、徐々に徐々に「あたりまえ」になりつつあるのかなと思います。
今日は比較的落ち着いた雰囲気で、高学年男子の台風のような勢いもなく、ある男の子は工房で昼寝をしていました。(寝不足だったらしい…。)そんな雰囲気の中、今日は4つの「ことばのかたち」が完成。また来月16日に「第六回 ことばのかたち工房」がありますが、その時が早くも待ち遠しい。
終わった後、みんなでお世話になってる「もんじゃ焼き わらべ」へ。ビールを片手にあーだこーだと話し合い、今後の方向性も随分と見えてきました。でも、「プロジェクト」と名前の付くものを、その場限りで終わらせず生かし続けることの難しさとその意義を、改めて今考えます。
「続いてたらイケる。その理由は、イケてないと続かないから。」
これは僕の友人が言っていた言葉なのですが、その通りだと思います。今回のこのプロジェクトが「イケてる」活動なら、今後も続いていくだろうと思うし、そうでないならそれまでだな、と。
がんばります。
2008年12月10日水曜日
かぞくのせいふくワークショップ@水戸芸術館
12月7日(日)、水戸芸術館で現在開催中の「日常の喜び」関連企画として、西尾さんの「かぞくのせいふくワークショップ」が開催されました。
ぼくとスタッフの百瀬は早朝に出発し、特急ひたちに乗って水戸へ。水戸芸術館は日比野克彦さんの「一人万博」や川俣正さんの「デイリーニュース」展をはじめ、次々と面白い企画をしている最も注目の美術館です。
会場に着くとスタッフの皆さんが集まっていて、会場の設営を行っていました。このワークショップでも古着を使って、着て遊んだり、古着を切って作品を作ったりするのですが、水戸市近隣の市民の方々から集めた1tくらいあろうかという大量の古着が・・・。服を床に並べ、グルーガンやミシンなどの道具と作業代を準備し、お昼を食べて打ち合わせ。
ワークショップはまず自己紹介から始まって、人間彫刻ゲーム(例えば4人で「動く自動車」を表現する)をして緊張をほぐしてから、実際の作業へ。
まず、家族やグループで集まっている参加者を一度シャッフルします。そして、服を使って、今日初めてであったメンバーと服を使って「擬似家族」を作ります。メンバー同士で「家族」の役割を決めて、お父さんなら「お父さんっぽい服装」、娘なら「娘っぽい服装」を選ぶことで、服装によって「家族のイメージ」を再現してみるのです。服を着替えたらみんなで写真を撮るのですが、「あぁーなるほど」という家族写真が出来上がっていました。
次に、元の家族やグループに戻って、今度は一般的な家族のイメージには当てはまらない「自分たちらしさ」を服にして表現します。互いの共通点を話し合ったり、同じ素材で服を作って交換し合ったり、それぞれのやり方で「らしさ」をあらわす服を作っていきます。最後に出来上がった服を着て記念写真を撮って、その服装のまま「日常の喜び」の展示を見に行きました。
その後、水戸芸の学芸員の方々と今回のスタッフの方々と西尾さんと一緒に食事に行きました。数々の展覧会やアートプロジェクトを手がけている森司さんもいらっしゃって、ド緊張して何も話せないかと思ったのですが、がんばって「アーティスト・イン・児童館」と「ことばのかたち工房」の話をしてみました。森さんは本当に気配りの上手な方で、とても親しみやすく、すっきりとした語り口でプロジェクト自体へのアドバイスだけじゃなく、キュレーターとしてのぼくへのアドバイスをしてくれました。まさかそんな話をしてもらえるなんて思っていなかったのでオロオロしてしまったのですが、嬉しい。面白いと思ってもらえた証拠だと、勝手に思っています。
アドバイスをもらっただけでなく、「また何かあったら相談して」と言ってもらったり、あまった古着を譲ってもらえることになったり、森さんが関わっている「北本アーツキャンプ」の手伝いをさせてもらえることになったり・・・・・・・あまりに多くのものを収穫してしまった水戸への小旅行でした。
「ことばのかたち工房」は今後また新たな展開を見せていくかも知れません。
--------------------------------------------------------------
「日常の喜び」
■会場 水戸芸術館現代美術ギャラリー
■入場料:一般800円、前売・団体(20名以上)600円
(中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料)
■会期
2008年10月25日(土)~2009年1月18日(日)
休館日:月曜日、年末年始12月27日(土)~1月3日(土)
*11月3日、24日、1月12日(月・祝)は開館、翌11月4日、25日、1月13日(火)は休館
ぼくとスタッフの百瀬は早朝に出発し、特急ひたちに乗って水戸へ。水戸芸術館は日比野克彦さんの「一人万博」や川俣正さんの「デイリーニュース」展をはじめ、次々と面白い企画をしている最も注目の美術館です。
会場に着くとスタッフの皆さんが集まっていて、会場の設営を行っていました。このワークショップでも古着を使って、着て遊んだり、古着を切って作品を作ったりするのですが、水戸市近隣の市民の方々から集めた1tくらいあろうかという大量の古着が・・・。服を床に並べ、グルーガンやミシンなどの道具と作業代を準備し、お昼を食べて打ち合わせ。
ワークショップはまず自己紹介から始まって、人間彫刻ゲーム(例えば4人で「動く自動車」を表現する)をして緊張をほぐしてから、実際の作業へ。
まず、家族やグループで集まっている参加者を一度シャッフルします。そして、服を使って、今日初めてであったメンバーと服を使って「擬似家族」を作ります。メンバー同士で「家族」の役割を決めて、お父さんなら「お父さんっぽい服装」、娘なら「娘っぽい服装」を選ぶことで、服装によって「家族のイメージ」を再現してみるのです。服を着替えたらみんなで写真を撮るのですが、「あぁーなるほど」という家族写真が出来上がっていました。
次に、元の家族やグループに戻って、今度は一般的な家族のイメージには当てはまらない「自分たちらしさ」を服にして表現します。互いの共通点を話し合ったり、同じ素材で服を作って交換し合ったり、それぞれのやり方で「らしさ」をあらわす服を作っていきます。最後に出来上がった服を着て記念写真を撮って、その服装のまま「日常の喜び」の展示を見に行きました。
その後、水戸芸の学芸員の方々と今回のスタッフの方々と西尾さんと一緒に食事に行きました。数々の展覧会やアートプロジェクトを手がけている森司さんもいらっしゃって、ド緊張して何も話せないかと思ったのですが、がんばって「アーティスト・イン・児童館」と「ことばのかたち工房」の話をしてみました。森さんは本当に気配りの上手な方で、とても親しみやすく、すっきりとした語り口でプロジェクト自体へのアドバイスだけじゃなく、キュレーターとしてのぼくへのアドバイスをしてくれました。まさかそんな話をしてもらえるなんて思っていなかったのでオロオロしてしまったのですが、嬉しい。面白いと思ってもらえた証拠だと、勝手に思っています。
アドバイスをもらっただけでなく、「また何かあったら相談して」と言ってもらったり、あまった古着を譲ってもらえることになったり、森さんが関わっている「北本アーツキャンプ」の手伝いをさせてもらえることになったり・・・・・・・あまりに多くのものを収穫してしまった水戸への小旅行でした。
「ことばのかたち工房」は今後また新たな展開を見せていくかも知れません。
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「日常の喜び」
■会場 水戸芸術館現代美術ギャラリー
■入場料:一般800円、前売・団体(20名以上)600円
(中学生以下・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料)
■会期
2008年10月25日(土)~2009年1月18日(日)
休館日:月曜日、年末年始12月27日(土)~1月3日(土)
*11月3日、24日、1月12日(月・祝)は開館、翌11月4日、25日、1月13日(火)は休館
大泉宝店会議に参加
12月8日、おなじみ「もんじゃ焼 わらべ」で開催されていた「大泉宝店会議」に呼んでいただきました。
これは自営業でお店を経営する方をはじめ、大泉の街を盛り上げようとしている人たちが、飲みながらワイワイと大泉の街について話し合う会議です。「わらべ」の加藤さん、元中学教諭の豊さん、美容師の長浜さん、大平観光の北垣さんといった面々で、生ハムやカマンベールチーズをつまみながら、高級なワインを飲みながら、熱く語り合うオジさんたちの間に入って、ぼくも企画についていろいろと相談させてもらいました。
もらった意見で一番貴重だったのは、「チラシが分かりづらい!」ということ。このフライヤーには企画の全容が書かれていますが、曰く「そんなんいらねぇんだよ!」とのこと。「なんだか面白そうだ!」と思わせるインパクトに欠けているという指摘を受けて、「確かにそうだ…。」と実感しました。
ぼくらはこの企画の意味を「説明」しようとしますが、地域の人たちにとってそんなのはうっとうしいことなのかも知れません。小難しいことをぐちゃぐちゃ言われるより、写真一枚と分かりやすい一文を見せて、「こんな楽しいことしてます!」と言われるほうがよほどスッキリするのでしょう。場合によっては≪なんとなく≫のほうが伝わるものは強いのかも。自分の中にあった、アートの意味を説明しよう、教えようとするオコガマシイ姿勢に気づけたのは、とても大きな報酬でした。
でも、彼らは「ことばのかたち工房」の取り組みを「素晴らしい!」「面白い!」と評価してくれています。
これは自営業でお店を経営する方をはじめ、大泉の街を盛り上げようとしている人たちが、飲みながらワイワイと大泉の街について話し合う会議です。「わらべ」の加藤さん、元中学教諭の豊さん、美容師の長浜さん、大平観光の北垣さんといった面々で、生ハムやカマンベールチーズをつまみながら、高級なワインを飲みながら、熱く語り合うオジさんたちの間に入って、ぼくも企画についていろいろと相談させてもらいました。
もらった意見で一番貴重だったのは、「チラシが分かりづらい!」ということ。このフライヤーには企画の全容が書かれていますが、曰く「そんなんいらねぇんだよ!」とのこと。「なんだか面白そうだ!」と思わせるインパクトに欠けているという指摘を受けて、「確かにそうだ…。」と実感しました。
ぼくらはこの企画の意味を「説明」しようとしますが、地域の人たちにとってそんなのはうっとうしいことなのかも知れません。小難しいことをぐちゃぐちゃ言われるより、写真一枚と分かりやすい一文を見せて、「こんな楽しいことしてます!」と言われるほうがよほどスッキリするのでしょう。場合によっては≪なんとなく≫のほうが伝わるものは強いのかも。自分の中にあった、アートの意味を説明しよう、教えようとするオコガマシイ姿勢に気づけたのは、とても大きな報酬でした。
でも、彼らは「ことばのかたち工房」の取り組みを「素晴らしい!」「面白い!」と評価してくれています。
このプロジェクトは、「地域活性化」や「美術教育」などいろんな語り口を持っていると思いますが、プロジェクトの「作り手」は誰なのかを問いかけてみることに、ぼくは一番可能性を感じます。今回意見をくれた皆さんも、このプロジェクトの「作り手」の一人になりうるのかも知れなくて、そうだと思ってもらえたとき、ぼくはゾクゾクするのでしょう。
毎月一回定例であるそうで、次回はできればスタッフも交えてお邪魔してきたいなと思っております。
2008年12月6日土曜日
第四回 ことばのかたち工房 12月6日
ことばのかたち工房8日目。今日のスタッフは8人(全員大学生)と、大所帯。そのせいか、現場のテンションはなかなかハイでした。
初めて来てくれたスタッフが4人もいて、「ことばのかたちってどうやって作ればいいんだ?」という困惑から始まったようです。こどもたちは好き勝手暴れるし、並んでる言葉からカタチがうまくイメージできないし。でも、ほかのスタッフと一緒にしたりこどもたちにアイデアを聞いたりして、徐々に自分なりのやり方をつかんでくれていたようです。
連想されるイメージをかたちにする、といったとき、イメージされるものが抽象か具象かでなかなか違います。「机」とか「コップ」とかいった具象を思いついて作業を始めようと思っても、「でもそれじゃぁつまらないなぁ…」というのでウンウン悩むこともしばしば。かといって抽象的なイメージじゃ人に伝わらない。なにかを生み出すことの苦しみと楽しさの両方をいつも感じています。
こどもたちは、そんな風に悩むぼくらに「早くやれよ!」とか「ずっと考えてるね。なにをそんなに考えてるの?」なんて言ってきます。そう言いながら、スタッフの作業を見たり手伝ったり、あるいは自分のものとしてやり始めたりします。飽きていなくなったりすることもあるけど、懸命に作業を続けるスタッフのところに戻ってきて、「まだやってたのかよ!」とか言いながら、できつつあるかたちにわくわくした顔を見せてきます。「生みの苦しみ」の現場で遊ぶ彼らは、一体どんなことを感じ、将来その思い出にどんな意味を持たせるのでしょう?
そんなこんなで生まれたかたちは合計5つ。作業中のものがなかなかたまってきてるので、次回はサクサク仕上げていきたいと思います。
それから、今日の昼下がりのこと。男子3人と一緒に、近所の文房具店に自転車でグルーガンのノリを買いに行きました。その旅の途中、一人がこんなことを言いました。
「展覧会に(作品を)出すんだろ?本気でやらなきゃやべえよな。」
いつも、ぼくはこどもたちのことを「彼ら」と呼び、スタッフのことを「ぼくら」と呼んで分けていたけど、このとき作品を作る主体が誰なのか、わからなくなりました。いつも邪魔をしにくる彼らだけど、大きな目的を徐々に共有しつつあるのかととてもうれしくなりました。
戻ってきてからはいつもと同じ「早くやれよ」と命令口調だったのですが。
初めて来てくれたスタッフが4人もいて、「ことばのかたちってどうやって作ればいいんだ?」という困惑から始まったようです。こどもたちは好き勝手暴れるし、並んでる言葉からカタチがうまくイメージできないし。でも、ほかのスタッフと一緒にしたりこどもたちにアイデアを聞いたりして、徐々に自分なりのやり方をつかんでくれていたようです。
連想されるイメージをかたちにする、といったとき、イメージされるものが抽象か具象かでなかなか違います。「机」とか「コップ」とかいった具象を思いついて作業を始めようと思っても、「でもそれじゃぁつまらないなぁ…」というのでウンウン悩むこともしばしば。かといって抽象的なイメージじゃ人に伝わらない。なにかを生み出すことの苦しみと楽しさの両方をいつも感じています。
こどもたちは、そんな風に悩むぼくらに「早くやれよ!」とか「ずっと考えてるね。なにをそんなに考えてるの?」なんて言ってきます。そう言いながら、スタッフの作業を見たり手伝ったり、あるいは自分のものとしてやり始めたりします。飽きていなくなったりすることもあるけど、懸命に作業を続けるスタッフのところに戻ってきて、「まだやってたのかよ!」とか言いながら、できつつあるかたちにわくわくした顔を見せてきます。「生みの苦しみ」の現場で遊ぶ彼らは、一体どんなことを感じ、将来その思い出にどんな意味を持たせるのでしょう?
そんなこんなで生まれたかたちは合計5つ。作業中のものがなかなかたまってきてるので、次回はサクサク仕上げていきたいと思います。
それから、今日の昼下がりのこと。男子3人と一緒に、近所の文房具店に自転車でグルーガンのノリを買いに行きました。その旅の途中、一人がこんなことを言いました。
「展覧会に(作品を)出すんだろ?本気でやらなきゃやべえよな。」
いつも、ぼくはこどもたちのことを「彼ら」と呼び、スタッフのことを「ぼくら」と呼んで分けていたけど、このとき作品を作る主体が誰なのか、わからなくなりました。いつも邪魔をしにくる彼らだけど、大きな目的を徐々に共有しつつあるのかととてもうれしくなりました。
戻ってきてからはいつもと同じ「早くやれよ」と命令口調だったのですが。
2008年12月5日金曜日
第四回 ことばのかたち工房 12月5日
ことばのかたち工房も、今日で七日目です。午前中は、おかあさんたちがクリスマス会に向けて出し物の練習を一生懸命なさっていました。12時過ぎまで工房のスタッフはぼくひとりだったので、ぼくは「清潔」ということばのかたちをつくるべく、図書室で参考になりそうな資料を探していました。「おりがみの本」を見つけたので、それを使って作り始めました。
午後になると、1時頃からさっそく小学生たちの登場。今日は午前授業だったそうです。工房には西尾さんも来てくれて、スタッフの百瀬君と2年生の女の子と一緒に「デパート向き」という難題と必死に格闘をしていました。できあがったのはなにやらきれいな「うろこ」の模様。説明は・・・百瀬君に任せます。
今日はいつもよりこどもの数が多く、大盛況でした。スタッフが4人しかおらず、こどもたちの何かしたい欲求に対応しきれずにてんやわんやしながらも、「紆余曲折」「清潔」「身軽」「おきて」などのことばの制作に取り掛かることができました。
今日のスタッフは「アーティスト・イン・児童館 実行委員会」のメンバーだったので、終わってからちょっとした話し合い。「もっとザクザク作品を作らなきゃ」とか、「あたしはこどもと一緒につくりたいなぁ」とか、それぞれの思うところを交感しあった、いい時間でした。こうして工房はいつも楽しく動いております。
明日のスタッフはなんと史上最多の8人!新しく来てくれるひとが4人もいます。
いったいどんな風景になることでしょう。楽しみすぎて寝られません。
2008年11月25日火曜日
第四回&第五回 ことばのかたち工房のおしらせ
ことばのかたち工房 第四回・第五回のスタッフ募集のお知らせです。
第四回 12月5日(金)/6日(土) 10:00~17:00
第五回 12月20日(土) 10:00~17:00
※19日(金)はクリスマス会のためお休みになります。
※19日(金)はクリスマス会のためお休みになります。
持ち物:昼食
みなさまのご参加をお待ちしております。
-----お問い合わせ-----
アーティスト・イン・児童館 実行委員会
代表 臼井 隆志
tel : 080-1207-1395
mail : artist.in.jidokan@gmail.com
※第六回は1月16日(金)/17日(土)、第七回は1月23日(金)/1月24日(土)を予定しています。
2008年11月20日木曜日
2008年11月15日土曜日
第三回ことばのかたち工房 11月15日
ことばのかたち工房 6日目。今日の現場のテンションは、「異様」の一言でした。
午前中はいつもどおり子どもたちは少なめで、淡々と作業が進みましたが、午後も、近所で焼き芋大会をしていたので、いつもより少なめ。そのせいか、ドッジボールもキックベースも盛り上がらず、ことばのかたち工房にたくさん集まっていました。
午後の2時を過ぎたあたりから、工房はその雰囲気に変化を見せ始めます。
「なんじゃボケェ!!!!どけゴルァ!ボケェ!!」
素材の中の胴着の帯を振り回す男子。
「あたし天才だから!子どもは偉いんだよ!」
「高級感」ということばのかたちをつくるために、次々とおとなに過酷な要求をする女子。
「手術!!!(ドスッ!!)」
作業台にしていたダンボールにハサミをぶっ刺し、爆笑する男子たち。
「お姫様ベッドつくって、ねまーす・・・。」
華やかな布を集めて、本当に寝始める女子。
「男の子が怖いからやだ!」
ダンボールで囲いをつくって、作業を続ける女子たち。
スタッフが作業をする傍ら、いろんな出来事が展開していました。もちろん、一緒に「ことばのかたち」を作っている子たちもたくさんいます。でもそれだけでなく、遊んでいるやつらとも場所を共有することの大切さって、あると思います。そりゃぁ、やつらのわけのわからない遊びにつきあわされたり、殴られたり、プロレス技かけたり、大変だけど。
ことばのかたち工房には、いくつもの「世界」が混在しているんです。低学年の女の子たちの世界。あばれたがりの男の子達の世界、高学年の女子の世界、スタッフ同士のちょっと大人な会話の世界。それぞれがいろんな影響を与え合って、どこかで作品と関わりながら、いろんな世界が「工房」を成り立たせています。この工房では、作品だけではなく、人と作品とことばとふるまいによって「世界」が、そうした「世界」が関わり合って生まれる「記憶」たちが、同時に生まれているんです。
また、二日連続でやっていたことも功を奏し、昨日来てくれた二年生の女の子が、今日も来てくれたり、ギャル予備軍のうちの一人が、ともだちを連れてきてくれたり、昨日した「約束」がつながりを生んでくれました。
「また12月の最初の金曜日にやるよ!」
「わかった!じゃあ、またね!」
継続していくことで、生まれ、かたちをかえていく、彼や彼女たちとの“あいだ”に、ぼくたちが目指すものがあるんだと、実感した一日でした。
午前中はいつもどおり子どもたちは少なめで、淡々と作業が進みましたが、午後も、近所で焼き芋大会をしていたので、いつもより少なめ。そのせいか、ドッジボールもキックベースも盛り上がらず、ことばのかたち工房にたくさん集まっていました。
午後の2時を過ぎたあたりから、工房はその雰囲気に変化を見せ始めます。
「なんじゃボケェ!!!!どけゴルァ!ボケェ!!」
素材の中の胴着の帯を振り回す男子。
「あたし天才だから!子どもは偉いんだよ!」
「高級感」ということばのかたちをつくるために、次々とおとなに過酷な要求をする女子。
「手術!!!(ドスッ!!)」
作業台にしていたダンボールにハサミをぶっ刺し、爆笑する男子たち。
「お姫様ベッドつくって、ねまーす・・・。」
華やかな布を集めて、本当に寝始める女子。
「男の子が怖いからやだ!」
ダンボールで囲いをつくって、作業を続ける女子たち。
スタッフが作業をする傍ら、いろんな出来事が展開していました。もちろん、一緒に「ことばのかたち」を作っている子たちもたくさんいます。でもそれだけでなく、遊んでいるやつらとも場所を共有することの大切さって、あると思います。そりゃぁ、やつらのわけのわからない遊びにつきあわされたり、殴られたり、プロレス技かけたり、大変だけど。
ことばのかたち工房には、いくつもの「世界」が混在しているんです。低学年の女の子たちの世界。あばれたがりの男の子達の世界、高学年の女子の世界、スタッフ同士のちょっと大人な会話の世界。それぞれがいろんな影響を与え合って、どこかで作品と関わりながら、いろんな世界が「工房」を成り立たせています。この工房では、作品だけではなく、人と作品とことばとふるまいによって「世界」が、そうした「世界」が関わり合って生まれる「記憶」たちが、同時に生まれているんです。
また、二日連続でやっていたことも功を奏し、昨日来てくれた二年生の女の子が、今日も来てくれたり、ギャル予備軍のうちの一人が、ともだちを連れてきてくれたり、昨日した「約束」がつながりを生んでくれました。
「また12月の最初の金曜日にやるよ!」
「わかった!じゃあ、またね!」
継続していくことで、生まれ、かたちをかえていく、彼や彼女たちとの“あいだ”に、ぼくたちが目指すものがあるんだと、実感した一日でした。
2008年11月14日金曜日
第三回ことばのかたち工房 11月14日
ことばのかたち工房も今日で5日目。今日はちょっと特別な日でした。
今日は午前中から西尾さんが来てくれていたので、最後の作品となる写真の撮影練習をしてみました。
これに関してはちょっと秘密。
それから、これまで空間に衣服をばっと広げていたのですが、今回はそれをやめました。巨大な段ボール箱を二箱並べて、素材を未使用と使用済みに分類して、必要な分だけ取り出してつくるような仕組みにして、ゴミ袋も取り付けました。作業台も用意してみると、空間が驚くほどすっきりされたのです。
そんなスッキリ工房で、お昼前くらいからスタッフ3人と西尾さんで「水には強い」を作り始めました。
「つるつるして、とげとげしてるイメージ」という意見から「うに」のようなオブジェをつくりました。
この「ことばのかたち」、これまでで一番オブジェとしての完成度が高いのではないでしょうか?
そして午後からはなんと、朝日新聞社の方が取材に来てくれました!記者の中野さんは大泉が誇る名店「もんじゃ焼きや わらべ」のご主人加藤さんのブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/warabe401/55325466.html)を読んで興味を持たれたそうで、直接電話で連絡をいただきました。
西尾さんとぼく、それから職員の蒲田さんで小一時間ほどインタビューを受けた後、写真を撮ってもらったりしながら工房の様子を見てもらいました。掲載されたらすごいですねー。
そんなこんなで午後の2時半を過ぎたあたりから徐々に小学生たちが姿を見せ始めます。
男子は即座にキックベースを始めますが、女子たちは決まった遊びがないのか、工房に来る子は女の子が多いです。今日も低学年の女の子3人組が、あつまって一生懸命話し合いをしたあと、「びしょぬれ」をみごとかたちにしてくれていました。これは前回スタッフのふみや君が作ってくれていた「びしょぬれ」とセットで一つの作品にできそうです。
また、4人組の5年生の女の子たちもきてくれて、「初めての冬」のアイデアを話し始めます。
「はじめての冬だから、へんなかたちのゆきだるま!」とひとりがいいました。これはなかなかおもしろい。
ゆきだるまを作ったのが初めてで、うまくできなかったんだろうなぁというストーリーが思い浮かびます。
「よし!それをつくろう!」と言ったら、サクサク作業が進むかなと思いきや、
「どうやってつくるんだよ!」「早くやってよ!」「うざっ!」・・・
などの罵声を浴びる始末…。まさにギャル予備軍の彼女たち。
その罵声にめげずに「おめーもやれよ!」などといいかえしながらひとり一つゆきだるまをつくりました。みんなそれを持って帰ってしまったので、明日はある程度大きなものを作品としてのかたちにしようとおもいます。
「明日もやってるからきなよ!」というと「いやだ。だれがいくか!きもちわるい。」と必要以上の悪態をつきますが、帰り際には「明日何時までやってるの?」と聞いてきます。全力でツッコミたかった…。
さて明日もことばのかたち工房はやっていますよ!
どんなことがおきるでしょうか?楽しみ、楽しみ。
2008年11月1日土曜日
第二回 ことばのかたち工房 11月1日
今日は、第二回ことばのかたち工房の二日目でした。
今日のテーマは、こどもをいかに巻き込むか。作品を仕上げることよりも、巻き込むことに重点を置いてみました。
午前中から午後にかけてはのんびりした雰囲気で、学童クラブの女の子を中心に6~7人で活動していたのですが、こどもたちの反応は様々。「つくりたいけど、つくりたくない!」と言って、ただ見てるだけの子がいたり、一緒にやろうと声かけしても、「やだ。」と拒否して、自分が作りたいものを作ったり、服にまみれて遊んだり。児童館で遊んでいるこどもたちと一緒に作るには、大人が彼らの遊びの世界に飛び込んでみることが、一つのブレイクスルーなんじゃないかな、と思います。
「ことばのかたち」じゃなく、こどもたちが自由につくった作品を「あそびのかたち」と呼ぶことにしました。(昨日は『いちご』、今日は『べんりべんりバッグ』という作品が生まれました。)
そして、午後の卓球クラブがおわってから高学年の激しい男子たちがなだれ込んできてからは雰囲気は一転。
プロレスを挑まれたり、人に乗っかったり、服の山にもぐったり、やりたい放題。
はじめは「あぁそんなことしたらあぶない!」と注意をしながら、どうしよう・・・と困惑状態だったスタッフ一同ですが、注意ばっかりしても仕方ないので、あえてその遊びの台風の中に飛び込んでみました。
一緒に服の中にもぐったり、プロレスの挑戦を受けてギブアップさせたり。
そんなことをしばらくしたあと、
「はい!もう終わり!ここは作業をする場所だから出てってください!暴れる人は退場。」
とぼくは、自分が暴れたにも関わらず権力的な発言をします。
こどもたちは「あーごめんなさーい」なんてへらへら笑いながら、全然その発言を受け入れて暴れることをやめる気配はないんですけど。
相変わらずプロレスを挑んでくるやつらに対して
「おれは今『清潔』を作っています!『清潔』に関係ないことしません!おまえらも一緒にやるか!?」
というと、
「『清潔』!?あぁ!?やってやるよ!!!」
と、俄然『清潔』っぽい柄の布を集め始めます。そこから、特に花柄のシルクの素材を集めていた男の子と一緒に『清潔』を作ることになりました。カオスから秩序が生まれた瞬間だったのでしょうか・・・?
一方そのころ、ほかのプロレス男子たちは、『火には弱い』を考えだしたようです。
「なぞなぞです!火には弱いけどハサミでは切れないモノってなんでしょう!?」
と問いを立てられると、正解を当てずにはいられないのか、一生懸命考え始めます。
スタッフも、面白い答えが出るまで、「それ正解!」とは言おうとしません。本当は正解なんてありませんから。
最後のほうになって出た答えは「家」。それいいね!とぼくが声をかけたのをきっかけに、服をたたんで積み重ね、「家」のかたちをつくる作業を始めました。
もちろん、たたむなんて律儀な作業を彼らがやりたがるはずもなく、邪魔ばっかりしてたのですが…。
男子による激しい盛り上がりを見せる前に、いつも土曜日の午後には必ず来てる子がやってきて、スタッフが作っていたものを引き継いで、台風の最中、一生懸命パッチワーク的なものを作ってくれていました。それが今日仕上がった「ことばのかたち」でした。ことばは『空気孔』。ものすごい集中力でした。ありがとう。
その他、継続中の作品は
『びしょぬれ』
『火には弱い』×2
『別人』
『あたりさわりのない色』(昨日のアイデアマンが今日来ていなかったので、次回に持ち越し)
『初めての冬』
です。
今日は初めて西尾さんが来てくれて、工房の方針や作品の作り方などの意見交換をすることもできました。次回以降、「ことばのかたち工房」がどう進化していくか、どうぞご期待ください!
2008年10月31日金曜日
第二回 ことばのかたち工房 10月31日
今日と明日にかけて、二回目の「ことばのかたち工房」。今日はその初日でした。
今回のキーワードは、
蒸れる
水には強い
青いストライプ
青いストライプ
初めての冬
あたりさわりのない色
火には弱い
重い
空気孔
清潔
別人
夏に眠る
びしょぬれ
以上の12個です。
午前中は、音楽室でキーワードとなる「ことば」たちを紙に書いたり、古着をならべたり、準備をします。
その間、遊戯室では、0~3歳児とお母さんたちの「おひさまクラブ」という集まりをやっています。
そこでは毎週金曜日、歌や人形劇など、いろんな催しがあるのです。今日なんかはハロウィンの仮装大会をしていました。
おひさまクラブのかえりの会で「ことばのかたち工房」の宣伝とチラシの配布をさせてもらったら、お母さんたちは熱心にチラシの文面を読んでくれていました。次回からは親子での参加に期待!
かえりの会では「さーよなーら あんころもっち まーた きーなこっ♪」と歌ってお別れをします。素敵。
午後2時過ぎくらいからは、授業を終えた小学生たちが集まり始めました。
「またこれやってんの!?」「今日はなに!?」
とハイテンション。
ぼくとスタッフの百瀬くんはちょうど「重い」ということばのかたちの制作にとりかかったところでした。
「じゃあ、重い服を作ればいいじゃん!」
いつもいつも、どストレートな言葉が返ってきます。
そこで「重い服ってどんな服?」って聞いてみると、
「太い!」「でかい!」「黒い!」などとことばが返ってくるやいなや、黒い服の内側に、でかいものと太いものをくっつけ始めました。
こんな勢いで全部作れればいいのですが、
「火には弱い」とか「夏に眠る」とか、耳慣れないことばは少々難しかったらしく、ワンピースにズボンを貼り付けただけで、「はい、夏に眠る ができました!」といってポイっと放り投げてしまったりもします。「これどの辺が『夏に眠る』なの?」と聞くと、「えー、しらなーい。」という具合。
彼らが飽きないような工夫が必要だなぁと思います。
相変わらず無関心な子はひたすら無関心。夢中になってドッジボールをしています。
どうやって巻き込んでやろうかなぁと思案しているところです。
今日できたのは、「重い」と「蒸れる」の2つ。
制作中なのは「あたりさわりのない色」と「火には弱い」。
「あたりさわりのない色」は、ある1年生の男の子に言わせると、「当たったり触ったり、したくない色」のことで、それは「炎」とか「毒」とか「雷」なのだそうです。普段大人が使う意味からすると、たぶん、間違っているのだけれど、「あたりさわりのない色」という言葉と初めて出会った彼のイメージを大切に、明日は制作したいと思います。
さて、明日はどんな「かたち」が生まれるのでしょうか?
乞うご期待!!
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