<子どもにやさしい>ということばを考え始めたスタッフのまわりに子どもたちが集まってきたので、スタッフの1人が『<子どもにやさしい>ということばはどんなかたちをしているでしょーか、だれが一番おもしろいことをいえるでしょうか』と、まるで大喜利のようにゲーム感覚でお題をだすと子どもたちは我先にと次々と意見をだしてきます。
玉子やき、サンタ、いちじく、アルパカ、犬、ねこ、酸素、フルーツ、綿など様々なことばがでてきて、紙にかいていきました。紙を見ながら、これいいね、あれもいいねとまるで会議のようになりました。その中からアルパカとフルーツと玉子やきをつくろうということになり、アルパカが背中にフルーツをのせているかたちをつくることにしました。
それから私はアルパカ作りにとりかかりました。そこへクッキングに参加している女の子たちが「今ポッキー冷やしてるからその間何かやりたいなぁ」という感じでやってきました。そして「アルパカって知らない、何?」という質問をしてきました。わたしは「やぎとひつじとラクダを混ぜたような動物で、ふわふわの毛の動物。。。」と知っていそうな動物を挙げて説明しますが、やっぱりピンとこない様子です。そこで図書室に動物図鑑あるかもしれないからみてこようという話になり、一緒に本を探しました。動物図鑑を探していると他にもたくさん面白そうな本があって寄り道をしながらもアルパカまでたどり着き、ああこうゆうの作るのねと納得した様子でした。それから工房にもどるとさぁ作ろうという雰囲気になりました。
子どもたちは児童館に遊びに来て、工作室や図書室、遊戯室、そしてことばのかたち工房を自由に行き来しながら彼らの世界を広げていきます。私たちスタッフも彼らの世界を少しずつ行き来できるようになっているなと実感した出来事でした。
そして今日のおもしろ事件はもう一つ。工房の外どころか、児童館を飛び出しての展開です。「ことばのかたち工房」のチラシと活動を紹介したパンフレットを、男の子三人と一緒に駅前で配りに行きました。なんでかわからないけど、先週の土曜日に児童館に行ったとき、「おい!うっすん!このチラシ駅前に配りに行こうぜ!」と言い出したのです。なんだか以前からチラシ配りにあこがれていたようで、ぼくが「よし、行くか」というと、テンションはメーターを振り切っちゃっいました。自転車にのって駅前に向かう途中も、自転車に乗ったまま通りすがりのおばあちゃんに「あの、これ、東大泉児童館で「ことばのかたち」っての、やってて、よかったら、あの、あそびにきてください!」と配ってしまうほどに。
二人ずつ駅の北口と南口に分かれて作業をしました。
おじさんに無視されれば「無視かよ!!!」。おばちゃんにもらってもらえれば「あざーっす!!!しゃー!!!」。小学生とすれ違えば、「おい!もらえ!ゴルァ!」。見る間にチラシを配っていきます。ちなみにぼくは、ほとんど何もしていません。笑
びっくりしたのは一番年下の3年生の男の子。冊子をページを開いて見せながら、「今、東大泉児童館でことばをかたちで表現する活動をしていて、とっても面白いので読んでみてください。」と言って通りすがる人の興味を引きつけてから渡してしまうのです。一切無駄のない簡潔で力強い説明。見習わなくては・・・・。
結果なんと、チラシ200枚強、冊子100枚以上を配りきりました。線路をまたぐ橋の上に集合して、4人で手をつないで「くばったー!!!」と去りゆく電車に向かって叫びました。まるでライブの後のバンドのように。そのあと、意気揚揚と児童館に凱旋。仕事を終えた彼らは「あと、おまえらやっとけ」と言わんばかりに心おきなく卓球に勤しんでいました。 (臼井)