2009年6月4日木曜日

#2『児童館の新住民史』とは


アーティスト・イン・児童館 第二回目のアーティスト北澤潤氏によるプロジェクト。

町の中にある子どもの居場所を「児童域」と捉え、「児童域」の現状について調査、議論し、新たな「児童域」を作り出すことを目的とした集団(=プロジェクトチーム)をつくる。その集団を「児童館の新住民」と名付け、町の中の代表的な「児童域」である児童館を主な拠点として活動を展開する。この「児童館の新住民」たちが起こしてゆく様々な出来事それら全てを「児童館の新住民史」とする。

今回のプロジェクトサイトである大泉の街において、「社会における子どもの居場所」は主に、児童館や公園、図書館のマンガコーナーなど、大人が用意した場所である。地域が「危険な場所」となった今、彼らの安全を確保するためにそのような枠(制度)がつくられたのであろう。しかし、北澤氏には「本来子どもは大人たちと日常的に対話し、社会の境界線を鮮やかにクロスオーバーし、地域をつなぐ存在であるべき」という主張がある。「子どもはつくられた場所に属すのではなく、自分の居場所をつくりだす創造力を持っている」と。

「新住民」たちは、児童館を中心に、町中の至るところに出没し、地域の住民と対話し、「居場所」をつくりだしていく。児童館で顔見知りになった子ども達は「新住民」と町中で遊び、その過程で「新住民」が対話している住民とも出会っていく。こうして、ある場所に属しているために出会うことのなかった人々が、「新住民」を介して出会っていく、という出来事を創出していくことがこのプロジェクトの目的である。

アーティスト・イン・児童館 ディレクター
臼井 隆志


(#2に関してはこちらのウェブサイトをご参照ください)

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