2009年5月24日日曜日

まちづくり活動支援助成 公開審査会

こんばんは。臼井です。

今日は実行委員の菊地さんと一緒に、「練馬まちづくりセンター」が主催する「まちづくり活動支援助成」の公開審査会で発表してきました。練馬区でまちづくり活動を行う12団体が出席。防災活動や遊び場づくりの活動、河川景観整備の活動など、いろんな角度から「まちづくり」を眺めることができて、とても勉強になる場でした。

中村小学校で芝生の管理と防災イベントを行う中村グリーンキーパーズの活動は、発表を聞いていて「うん、うん」と思うところがたくさんあったし、「練馬 都森化300年計画」というラディカルな企画の発表も、だいぶ面白かった。審査員の先生方も、真剣に市民団体を育てようとしていて、尽力しているのだなぁと感じられる場で、財団がこういう取り組みを展開しているのは、本当に素晴らしいことだなぁ、と思うのでした。

そんななかで、初めて「まちづくり」として自分たちの活動を語りました。トークセッションの時のように、「脱ワークショップ」だとか、「公共性」の話だとか、「アートの役割とは何か」みたいなおしゃれっぽい話をしても仕方のない場で、それでもなお活動の面白さを伝えなくてはいけないという “ヒリヒリ感” は、なかなかエキサイティングでした。

企画を立て、その面白さと重要性を人に伝えるのは難しい。こういう場で発表するときのために、まちづくり用語や行政用語も獲得していかなくてはいけないなぁ。これからは、美術教育や福祉としても語ることがあるのかなぁ。ぼくらはただ、遊んでいたいだけなのだけど、社会的にそれを認めてもらうためには、その「遊び」の役割を、いろんな語り方で人に伝えていかなくてはなりません。

反省と、出会いと、大きな収穫を得た今日の公開審査会。



アーティスト・イン・児童館 実行委員会、09年度練馬まちづくり活動助成金、



獲得。



やった。

2009年5月21日木曜日

ついに新たなプロジェクトが・・・!?


こんにちは。臼井です。

昨日、北澤潤さんと児童館に遊びに行きました。(現在北澤さんは毎週水曜日児童館に滞在中です)。
昨日の児童館には、大人がたくさん。北澤さんの友達の鈴木くんと、「ワークショッププラン作成の参考に児童館を見に行きたい」と連絡をくれたアーティストの野原大介さん、ワークショッププランナーの楊さん、北村さんも遊びに来てくれました。ドッジボールをしたり、児童館職員のしんさんがやってる数字ビンゴをしたり、ぼーっとしたり、各々児童館を満喫。

「そもそも児童館によく知らない大人の人がたくさんいる、という状況が面白い。」

児童館が終わってから実行委員のメンバーと合流し、打ち合わせをしているとき、北澤さんがこんな風に言いました。「プロジェクトを通して出来上がった“モノ”を見せるのではなく、この“状況”とそこで起きていく“出来事”を見せたいんだ」と。


ではどうやってそれを実現するのか。茫漠然としたイメージと、これがしたいという想いと、かたちにならないものをかたちにする方法を考える。最も頭を使い、最も悩み、最も不安を感じる時間です。今まで出てきた案と、やりたいこと、キーワードをリストアップし、頭の中を整理しながら、ぐぅーっと、おなかの底のアイデアのマグマのほうへと沈んでいきます。

フツフツと沸き立とうとするそれぞれのアイデアのマグマ。それは、ついに噴火しました。来週水曜日、新たなプロジェクトが始動します。その内容とは・・・!?

次週、乞うご期待。

2009年5月19日火曜日

5/18 大泉宝店会議 アイデア収穫祭!

こんにちは。臼井です。

昨晩、おなじみ「わらべ」で、大泉で働く人たちが集まる異業種交流会「大泉宝店会議」に参加してきました。いつもはわりとゆったりと話をしている会なのですが、前回、今回は10人以上集まって大盛り上がりでした。

前回(4月21日)は北澤潤さんと一緒に参加しました。三又酒店の比留間さんが持ってきてくれたおいしい日本酒を飲みながら、北澤さんのプロジェクト「病院の村」の紹介をしたり、宝店バスツアー(10月開催予定)の打ち合わせをしていたり。そんな中で「宝店会議の存在をもっと知らしめたい!」という話から、僕たちで宝店のチラシを作ることになったのでした。

いつもひょんなことから企画が立ち上がるこの飲み会。今回は、実行委員の菊地みぎわさんと、その妹で「ことばのかたち工房」スタッフの玲さんと、大泉出身新進気鋭の箒職人アーティスト吉田慎司さんと、ぼくの4人で参加して来ました。Nroom Artspaceの前原さんも遊びに来ていて、いつもは政治や経済や過去の武勇伝で盛り上がるこの会で、アートが話題の中心に。「アーティストによるフードコーディネート教室」や「アーティスト・イン・ラブホ」など、まじめと不真面目を行き来しながらいろんな案が飛び交います。まだ公にしてはいけないマル秘まで・・・!

実現化しそうな話は以下のとおり。
・「宝店バスツアー開催」(10月5日予定)
・「Nroom Artspace 定例トークショー開催」(月に1回くらい、地域で活動する様々な人たちと、アーティスト、ギャラリストがトークするというもの)
・「吉田慎司プレゼンツ 大泉箒プロジェクト」(大泉の各家々の庭先でホウキモロコシを育ててもらい、そのモロコシで吉田さんが箒をつくるプロジェクト)
・「アーティスト・イン・児童館 大泉事務所 設立」(菊地姉妹が世田谷から大泉に移住!宝店メンバーの飯高産業の川上さんが支援してくれます。)

いろんなアイデア大収穫の会議でした。飲み会の場だったし、おいしいワインがたくさんあったので、みんな覚えていないかもしれませんが・・・大泉で、これからいろんな事件が起きていきそうな予感です。

2009年5月17日日曜日

Nroom artspace  オープニングパーティ



昨日の夕方、南大泉に新しくオープンしたギャラリー「Nroom artspace」のオープニングパーティに遊びにいってきました。新たなアートの拠点が児童館のすぐ近くにできたと思うとまたまた素敵な出会いがあるのではないかと期待せずにはいられません。
この日も多くの方がオープニングに駆けつけていて、ギャラリーの中はとても賑わっていました。私も数人の方とお話ししたのですが、練馬区や隣町に住んでいる方も多く、「ようやく近くにこのようなアートスペースができて嬉しい。」と、自分の住んでいる地域にこのようにアートを身近に感じられる場所を求めている方が多いように感じました。

閑静な住宅地に人が集まっているので、掃除をしていた近所の方が「あらなに?事件?」と声をかけてくださいました。ギャラリーができたことをお伝えすると、「知らなかったわ、目の保養に来ようかしら」とおっしゃっていました。
はじめは事件のようにとらえていても、出来事を理解するとすぐに自分の日常に置き換えて考えることができる方が近所に住んでいることがわかり、児童館での活動にもこのギャラリーにもまだまだたくさんの人をつなげていけるのではないかと思った瞬間でした。


ギャラリーは住宅地の中にあり一戸建てを改装したアートスペースになっていて、日常の中に作品がちりばめられているような印象をうけました。駅からは少し距離があるのですが、途中猫に会ったり(この地域は猫が多い気がします)、しっかりと手入れされているお庭がある家があったり、白子川を渡ったり、児童館で顔なじみの子にあったりと、大泉の町を散歩しながらたどりつけるのも面白かったです。

こちらのギャラリスト前原さんは、武蔵野美術大学で開催されていた「ことばのかたち工房展」での第一回トークセッション「地域の声」に遊びにきてくださいました。
「一般的な展示と同時に、地元や生活とも密着したこと等も何かしらやっていければいいなと思っているので一緒に活動できればいいですね。」とお話ししてくださり、展示だけでなく、ワークショップの企画も提案してくださいました。
子どもたちがここで自分たちのかかわった作品が展示されているのをみたら、どんな反応がかえってくるのか想像すると今から楽しみです。


きくち

2009年5月16日土曜日

児童館で遊ぶ

こんばんは。臼井です。

今日は夕方時間ができたので、15時くらいから児童館に遊びに行きました。
「こんにちわー」と、児童館に入るやいなや、

「うっすーん!!!あたし失恋した!!もう最悪!」
「あー!来たー!ベーゴマのひも巻いてよ!」
「あはは!うっすんだ!今日ことばのかたちやらないの?」
「おまえがくる必要なんかねーんだよ!」
「おい!屋上つれてけ!」
「あなた、どうみてもおっさんだね!」
「ねぇ!あたしのお姉ちゃんと結婚しろよ!17歳!いいだろ!」

歓迎の罵声と祝福の殴打を浴びながら、事務室に荷物を置き、ベーゴマのひもを巻きながら引き続き殴られつつ、失恋の話を聞きながら「ことばのかたち工房」は準備中だよ、と説明。結婚は断りました。

いつもよりもちょっとテンションが高めだなーと思っていたら、ますますテンションが上がっていきます。彼らはぼくのからだのあらゆる部分をつかんで遊戯室に引きずり込み、足に巻きついてぼくを倒します。15対1くらいのプロレスが始まりつつあったので、「はい!ろくむしやるよー!」と一喝。何とか秩序ある遊びに持っていこうとしたのですが、興奮状態の彼らはルールなんかそっちのけ。「ろくむし」は、ばたばたと室内を走り回る遊びなのですが、その猛烈な勢いの中で5年生の子が鬼をやっていた3年生の子にジャンピングクロスチョップをくらわせ、泣かせてしまうという事件が起きてしまいました。

あぁ、ぼくが来たせいで興奮させてしまった挙句、こんな事件が…。来るならもっと早めに来て、ゆっくりとテンションを上げていったほうがよかったなと反省。でも、そのあとすぐに5年生の子が謝って、その子も泣きやんで、みんなでキックベースをやりました。

相変わらず猛烈なみんな。児童館の職員でもバイトでもないぼくがこんな風にみんなと遊べることに感謝しながら、彼らと一緒にできることを、ぼくもぼくなりの視点で考えてみたいと思っています。武蔵野美術大学での展示も終了し、一区切りついたと見せかけて、現在「ことばのかたち工房」再始動に向けて着々と準備中。アーティスト・イン・児童館#2の北澤潤さんも、毎週水曜日児童館のどこかに滞在するというかたちで動き始めています。どうぞご期待ください。

2009年5月11日月曜日

5/7 トークセッション第二弾!




5月7日 木曜日 16:30~
アーティスト・イン・児童館#1西尾美也プロジェクト
「ことばのかたち工房」展 関連企画

トークセッション第二弾「これからのアートプロジェクト」

さる5月7日木曜日、武蔵野美術大学9号館にてトークセッションが開催されました。
日本の現代美術界を代表するキュレーター森司氏と、「かえっこ」を代表とするOS的表現をつくりつづけてきた藤浩志氏をゲストにお招きし、アーティスト・イン・児童館の取り組みを事例に「これからのアートプロジェクト」がどうなっていくのかを考えるという企画内容。森さん、藤さん、そして僕が質問を投げかけ合いながら話を展開していくという白熱した時間でした。

オーディエンスにも、そうそうたるメンバーが集まったこの日。その模様を素早くテープから文字に起こして、素早く皆様にお届けしたいとお思います。詳細はそちらをお楽しみに。

トークの中でぼくが必死にやろうとしたことは、現行のアートプロジェクトに対する違和感をことばにすることでした。ただ、それはほとんど失敗に終わっていたような気がします。でも、終わってみて感じたものは、時代の変化の予兆でした。

これからもアーティストでもキュレーターでもなく「生活する者」として、まちに繰り出そう。児童館に遊びに行こう。改めて、そんな決意をしたのでした。

2009年5月10日日曜日

5月10日(日) 朝日新聞朝刊(23区版) 掲載!

5月10日(日)の朝日新聞朝刊(23区版)に「ことばのかたち工房」展の模様が掲載されています。
ぜひご覧ください。
                  画像をクリックすると拡大で表示されます

2009年5月4日月曜日

【大泉散歩】春の三又祭りへ


5月3日(日) 

~春の三又祭り編~

「ことばのかたち工房」でもお世話になっている三又酒店が「春の三又祭り」というイベントを開催していたので、遊びに行っていました。とっても高級な日本酒やワインの試飲をさせてくれたり、抽選会があったり、お店はたいそう賑やか。何と言っても極上だったのは、ご主人の比留間さんが南フランスへ直々に出向いて特別に仕入れている20年モノのワイン。(名前を忘れてしまった…。)あんな珍しくて高級なワインはめったに飲めないでしょう。
三又酒店は「お酒のある生活シーンのお手伝い」をモットーに、ただお酒を売るだけでなく、飲み方の説明やそのお酒に合う料理の紹介なども合わせてくれる町場の素敵な酒屋さんです。ご主人はフランスでワインを仕入れたときの話や、日本の各地の酒蔵の話を楽しそうに話してくれます。そんな三又祭りに便乗して、ドイツのワインを一本買って帰りました。


~大泉散歩編~
帰り道はぶらぶらと大泉を探検してみました。長年このまちに住んではいるものの、実は全然知らない場所だらけです。高校1年の時に引っ越してきて、かれこれ7年になるこの街で、僕がしていたことは家と駅の往復でした。点と点をつなぐだけ。東大泉児童館に関わるようになって、「ことばのかたち工房」を実践してみて、ようやく「よそ者」からこのまちで生活する人間になりつつあるのです。でも、まだまだ知らないこと、気づいていないことだらけ。
これからは、いつもの散歩コースを脱線して、いろんな発見をする“旅”をして「大泉散歩」というコーナーで公開していこうと思います。

発見その1
歩いていると、庭から生える樹や垣根が立派で、花がきれいに咲いているお家が多いことに気付きます。みなさん、きちんと手入れをしている様子。そういえば、うちもじいちゃんがガーデニングには力を入れています。こういう庭や玄関のように「公」「私」が溶け合うグレーゾーンは、“遊び”が生まれる温床になっています。子どもがそこで遊んだり、おばちゃんたちが話したりする風景は日常的です。ひとつ、何かヒントはありそうです。
発見その2


周辺によくあるのがこの「無人販売所」。畑を持つまちではこれも日常の風景かも知れませんが、野菜を介して農家と住民がつながる重要な拠点です。最近ではコインロッカーのような販売機の中に野菜を入れて売っているところもあります。野菜の横に「ことばのかたち」を置いてみても、誰か買っていってくれるかも。無人販売所の仕組みを使うというのもヒントかもしれません。

発見その3
意外とこどもたちが駐車場や道路で遊んでいたということ。危険だから出るなとか、地域の大人の迷惑だから遊ぶなとか、いろんな“禁止”が働いていて遊びにくそうだなぁと思っていたのですが、結構いました。ドッジボールしたり、縄跳びをしたりしていました。子どもはちゃんと自分の遊び場を自分の生活する場の近くに開拓していて、ちょっと安心。


「郊外住宅地は○○という問題を抱えている」「今の子どもは××だ」というような先入観を持って行動していたとしたら、それはその土地に息づく文化を無視するとても危険な状態です。気付かないうちに先入観をもって子どもやまちと関わっているんだなぁと反省しながらも、自分の先入観をぶちこわしてくれる風景に、もっともっと出会いたいと思うのでした。