2008年11月25日火曜日

第四回&第五回 ことばのかたち工房のおしらせ


ことばのかたち工房 第四回・第五回のスタッフ募集のお知らせです。

第四回 12月5日(金)/6日(土) 10:00~17:00

第五回 12月20日(土)  10:00~17:00
※19日(金)はクリスマス会のためお休みになります。
持ち物:昼食
みなさまのご参加をお待ちしております。


-----お問い合わせ-----
アーティスト・イン・児童館 実行委員会
代表 臼井 隆志
tel : 080-1207-1395


※第六回は1月16日(金)/17日(土)、第七回は1月23日(金)/1月24日(土)を予定しています。

2008年11月20日木曜日

9つのことばのかたち

             

                        水には強い




                        火には弱い


                         高級感


                         夏に眠る



                          別人






                        初めての冬




                         びしょぬれ


                        あたりさわりのない色



                          空気孔











2008年11月15日土曜日

第三回ことばのかたち工房 11月15日 




ことばのかたち工房 6日目。今日の現場のテンションは、「異様」の一言でした。

午前中はいつもどおり子どもたちは少なめで、淡々と作業が進みましたが、午後も、近所で焼き芋大会をしていたので、いつもより少なめ。そのせいか、ドッジボールもキックベースも盛り上がらず、ことばのかたち工房にたくさん集まっていました。

午後の2時を過ぎたあたりから、工房はその雰囲気に変化を見せ始めます。

「なんじゃボケェ!!!!どけゴルァ!ボケェ!!」
素材の中の胴着の帯を振り回す男子。

「あたし天才だから!子どもは偉いんだよ!」
「高級感」ということばのかたちをつくるために、次々とおとなに過酷な要求をする女子。

「手術!!!(ドスッ!!)」
作業台にしていたダンボールにハサミをぶっ刺し、爆笑する男子たち。

「お姫様ベッドつくって、ねまーす・・・。」
華やかな布を集めて、本当に寝始める女子。

「男の子が怖いからやだ!」
ダンボールで囲いをつくって、作業を続ける女子たち。

スタッフが作業をする傍ら、いろんな出来事が展開していました。もちろん、一緒に「ことばのかたち」を作っている子たちもたくさんいます。でもそれだけでなく、遊んでいるやつらとも場所を共有することの大切さって、あると思います。そりゃぁ、やつらのわけのわからない遊びにつきあわされたり、殴られたり、プロレス技かけたり、大変だけど。

ことばのかたち工房には、いくつもの「世界」が混在しているんです。低学年の女の子たちの世界。あばれたがりの男の子達の世界、高学年の女子の世界、スタッフ同士のちょっと大人な会話の世界。それぞれがいろんな影響を与え合って、どこかで作品と関わりながら、いろんな世界が「工房」を成り立たせています。この工房では、作品だけではなく、人と作品とことばとふるまいによって「世界」が、そうした「世界」が関わり合って生まれる「記憶」たちが、同時に生まれているんです。

また、二日連続でやっていたことも功を奏し、昨日来てくれた二年生の女の子が、今日も来てくれたり、ギャル予備軍のうちの一人が、ともだちを連れてきてくれたり、昨日した「約束」がつながりを生んでくれました。

「また12月の最初の金曜日にやるよ!」

「わかった!じゃあ、またね!」

継続していくことで、生まれ、かたちをかえていく、彼や彼女たちとの“あいだ”に、ぼくたちが目指すものがあるんだと、実感した一日でした。

2008年11月14日金曜日

第三回ことばのかたち工房 11月14日









ことばのかたち工房も今日で5日目。今日はちょっと特別な日でした。

今日は午前中から西尾さんが来てくれていたので、最後の作品となる写真の撮影練習をしてみました。
これに関してはちょっと秘密。

それから、これまで空間に衣服をばっと広げていたのですが、今回はそれをやめました。巨大な段ボール箱を二箱並べて、素材を未使用と使用済みに分類して、必要な分だけ取り出してつくるような仕組みにして、ゴミ袋も取り付けました。作業台も用意してみると、空間が驚くほどすっきりされたのです。

そんなスッキリ工房で、お昼前くらいからスタッフ3人と西尾さんで「水には強い」を作り始めました。
「つるつるして、とげとげしてるイメージ」という意見から「うに」のようなオブジェをつくりました。
この「ことばのかたち」、これまでで一番オブジェとしての完成度が高いのではないでしょうか?



そして午後からはなんと、朝日新聞社の方が取材に来てくれました!記者の中野さんは大泉が誇る名店「もんじゃ焼きや わらべ」のご主人加藤さんのブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/warabe401/55325466.html)を読んで興味を持たれたそうで、直接電話で連絡をいただきました。
西尾さんとぼく、それから職員の蒲田さんで小一時間ほどインタビューを受けた後、写真を撮ってもらったりしながら工房の様子を見てもらいました。掲載されたらすごいですねー。

そんなこんなで午後の2時半を過ぎたあたりから徐々に小学生たちが姿を見せ始めます。
男子は即座にキックベースを始めますが、女子たちは決まった遊びがないのか、工房に来る子は女の子が多いです。今日も低学年の女の子3人組が、あつまって一生懸命話し合いをしたあと、「びしょぬれ」をみごとかたちにしてくれていました。これは前回スタッフのふみや君が作ってくれていた「びしょぬれ」とセットで一つの作品にできそうです。

また、4人組の5年生の女の子たちもきてくれて、「初めての冬」のアイデアを話し始めます。
「はじめての冬だから、へんなかたちのゆきだるま!」とひとりがいいました。これはなかなかおもしろい。
ゆきだるまを作ったのが初めてで、うまくできなかったんだろうなぁというストーリーが思い浮かびます。
「よし!それをつくろう!」と言ったら、サクサク作業が進むかなと思いきや、
「どうやってつくるんだよ!」「早くやってよ!」「うざっ!」・・・
などの罵声を浴びる始末…。まさにギャル予備軍の彼女たち。
その罵声にめげずに「おめーもやれよ!」などといいかえしながらひとり一つゆきだるまをつくりました。みんなそれを持って帰ってしまったので、明日はある程度大きなものを作品としてのかたちにしようとおもいます。

「明日もやってるからきなよ!」というと「いやだ。だれがいくか!きもちわるい。」と必要以上の悪態をつきますが、帰り際には「明日何時までやってるの?」と聞いてきます。全力でツッコミたかった…。

さて明日もことばのかたち工房はやっていますよ!
どんなことがおきるでしょうか?楽しみ、楽しみ。








2008年11月1日土曜日

第二回 ことばのかたち工房 11月1日






今日は、第二回ことばのかたち工房の二日目でした。

今日のテーマは、こどもをいかに巻き込むか。作品を仕上げることよりも、巻き込むことに重点を置いてみました。
午前中から午後にかけてはのんびりした雰囲気で、学童クラブの女の子を中心に6~7人で活動していたのですが、こどもたちの反応は様々。「つくりたいけど、つくりたくない!」と言って、ただ見てるだけの子がいたり、一緒にやろうと声かけしても、「やだ。」と拒否して、自分が作りたいものを作ったり、服にまみれて遊んだり。児童館で遊んでいるこどもたちと一緒に作るには、大人が彼らの遊びの世界に飛び込んでみることが、一つのブレイクスルーなんじゃないかな、と思います。

「ことばのかたち」じゃなく、こどもたちが自由につくった作品を「あそびのかたち」と呼ぶことにしました。(昨日は『いちご』、今日は『べんりべんりバッグ』という作品が生まれました。)



そして、午後の卓球クラブがおわってから高学年の激しい男子たちがなだれ込んできてからは雰囲気は一転。

プロレスを挑まれたり、人に乗っかったり、服の山にもぐったり、やりたい放題。
はじめは「あぁそんなことしたらあぶない!」と注意をしながら、どうしよう・・・と困惑状態だったスタッフ一同ですが、注意ばっかりしても仕方ないので、あえてその遊びの台風の中に飛び込んでみました。

一緒に服の中にもぐったり、プロレスの挑戦を受けてギブアップさせたり。

そんなことをしばらくしたあと、
「はい!もう終わり!ここは作業をする場所だから出てってください!暴れる人は退場。」
とぼくは、自分が暴れたにも関わらず権力的な発言をします。
こどもたちは「あーごめんなさーい」なんてへらへら笑いながら、全然その発言を受け入れて暴れることをやめる気配はないんですけど。
相変わらずプロレスを挑んでくるやつらに対して
「おれは今『清潔』を作っています!『清潔』に関係ないことしません!おまえらも一緒にやるか!?」
というと、
「『清潔』!?あぁ!?やってやるよ!!!」
と、俄然『清潔』っぽい柄の布を集め始めます。そこから、特に花柄のシルクの素材を集めていた男の子と一緒に『清潔』を作ることになりました。カオスから秩序が生まれた瞬間だったのでしょうか・・・?

一方そのころ、ほかのプロレス男子たちは、『火には弱い』を考えだしたようです。
「なぞなぞです!火には弱いけどハサミでは切れないモノってなんでしょう!?」
と問いを立てられると、正解を当てずにはいられないのか、一生懸命考え始めます。
スタッフも、面白い答えが出るまで、「それ正解!」とは言おうとしません。本当は正解なんてありませんから。
最後のほうになって出た答えは「家」。それいいね!とぼくが声をかけたのをきっかけに、服をたたんで積み重ね、「家」のかたちをつくる作業を始めました。
もちろん、たたむなんて律儀な作業を彼らがやりたがるはずもなく、邪魔ばっかりしてたのですが…。

男子による激しい盛り上がりを見せる前に、いつも土曜日の午後には必ず来てる子がやってきて、スタッフが作っていたものを引き継いで、台風の最中、一生懸命パッチワーク的なものを作ってくれていました。それが今日仕上がった「ことばのかたち」でした。ことばは『空気孔』。ものすごい集中力でした。ありがとう。

その他、継続中の作品は
『びしょぬれ』
『火には弱い』×2
『別人』
『あたりさわりのない色』(昨日のアイデアマンが今日来ていなかったので、次回に持ち越し)
『初めての冬』
です。

今日は初めて西尾さんが来てくれて、工房の方針や作品の作り方などの意見交換をすることもできました。次回以降、「ことばのかたち工房」がどう進化していくか、どうぞご期待ください!