2009年1月26日月曜日

4つのことばのかたち

動作の拘束

 

試供品

 

 室内用

 

強い


2009年1月25日日曜日

第7回 ことばのかたち工房 1月24日




ことばのかたち工房も7回目をむかえました。


今日は遊んでいる子どもも少なく、静かな児童館でした。
風邪やインフルエンザが流行しているのかなぁとちょっと心配です。

朝から、現役の大学生が取材や執筆を全て行っている「毎日新聞キャンパる」の編集部から2人の記者さんが取材に来てくれました。午前中はアーティストの西尾さんがいらしていたのでインタビューを交えての取材を、午後は実際に作品づくりに参加してくれました。どんな記事になるのか今から楽しみです。

外には雪がちらついていて、子どもたちは「雪だ!雪だよ!積もれ~!」と児童館中を駆け巡ったり、外に出たりと大はしゃぎでした。
そんな子どもたちと雪を眺めながら、私たちスタッフは「動作の拘束」のことばのかたちにとりかかります。「くさり」「沼」「オリ」「クモの巣」「手錠」という拘束のイメージがでました。そして「動作」の部分はどうしようかと考えていると、子どもがやってきたので「動くものってなーに?」と聞いてみると「足」「車」という答えが返ってきました。車から車輪、車輪から歯車を連想し、歯車を拘束するということばのかたちができました。

「試供品」では「タダ」「少しだけ」「1回きり」「配る」「いいとこどり」「特徴を凝縮してる」というキーワードが出てきました。そこから、古着の特徴であるポケットを切り取り、その中にその素材で作った試供品を入れようということになりました。そのポケットを、レジの横におけるようなウォールポケットのようにしました。ポケットの中には飴・竹トンボ・虹・星・人間などさまざまな試供品が詰められました。女の子たちは特に飴つくりに夢中で「青りんご味」「ソーダ味」「いちご味」など、小さな飴をたくさん作ってくれました。 できあがった飴はしっかりと包装し、本物の飴により近くなったと思います。まるで飴工場のようでした。そのような感じで工房のあちこちに試供品の工場ができていました。

他には「室内用」「強い」のことばのかたちができあがりました。

今日はスタッフが「うーん、どうしようか」と考え込んでいる場面が多かったように感じます。
いつもだったら子どもたちが「これでどうだ!」といわんばかりに、想定外のことばのイメージを次々とぶつけてきます。そんな会話の中からことばのかたちの方向性が決まっていきますが、今日は彼らのアイディアに触れる機会が少なく、このように悩んでしまったのではないかと思います。
子どもたちにとってこ「ことばのかたち工房」が当たり前になってきているように、私たちにとっても彼らの存在が当たり前になっていて、彼らの力が作品にも大きく影響していたのだなぁと思いました。

次回は2月6日・7日です。
まだまだ参加者は募集中です!

2009年1月24日土曜日

4つのことばのかたち

安い

 

耐久力


 

子どものおさがり


 

仲間のしるし


第7回ことばのかたち工房 1月23日

 

 

 


 

こんにちは。百瀬です。


今日の工房はスタッフの数が過去最大の大所帯。工房には、合計11人ものスタッフがいて、音楽室はいつもより狭く感じられました。中には筑波大学からわざわざ足を運んでくれた方の姿もありました。

そんな大所帯の手により、今日は4つのことばのかたちが出来上がりました。
「安い」「耐久力」「子どものおさがり」「仲間のしるし」。
中でもぼくが印象的だったのは「仲間のしるし」のかたちでした。
白い布地と綺麗な石という共通性を持たせた作品をたくさん作って、ことばのかたち工房で作業をするみんなの「仲間のしるし」を作ってしまおうというなんとも楽しい作業でした。コンセプトはみんな一緒なのに、実際に出来上がるかたちはネックレスのようなものから、首輪、ブレスレット、はたまた帽子にいたるまで、同じコンセプトでもみんなつくるものは本当に様々、個性が光ります。そんな、すごく素敵なことばのかたち工房の仲間たちの「仲間のしるし」ができ上がりました。
 
今日の僕はというと、一日中「安い」のかたちを考え続けていました。前回の工房で、ある女の子が「『安い』っていうのはね、うれしいとき、悲しいとき、苦しい時に声をかけてくれることだよ」と言っていて、僕は思わずあっけにとられてしまいました。「安い」ということばからそんな意味を引き出すのか!…。衝撃を受けた僕は、このコンセプトを活かした作品をどうしても作りたいと強く思い制作に取り掛かりました。
 ときに彼らは、僕らがまったく思いもしないようなモノを「ことば」から引き出してきます。それは常識的にはおかしなものかもしれません。間違っているのかもしれません。けれど、そこには僕らが常識として身につけてしまったものや考えを覆す何かが潜んでいるのかもしれません。単に間違いとして正してしまうべきではない何か。彼らなりの何か。彼らが頭を振りしぼって考え出した答え。工房では、そういう彼らの「世界」を大切にしたいと思っています。何より、彼らと彼らの「世界」と向き合うことは本当に楽しいことですから。そんな風にして工房での作業に胸躍らせるスタッフたちの顔はいつも笑顔です。

明日はどんなことばが出てくるのか。そしてこどもたちといっしょにどんなかたちが作り上げられていくのか。今から楽しみです。

2009年1月19日月曜日

8つのことばのかたち


目立たない汚れ


身軽


 

 

タンスの順番

 

体にしっくりくる長さ

 

紆余曲折

 

ワイン専用

 

過去の夢

2009年1月18日日曜日

第6回 ことばのかたち工房 1月17日



こんにちは。

アーティスト・イン・児童館 実行委員会の菊地みぎわです。今回は私からことばのかたち工房のことをお伝えしようと思います。はじめての投稿なのでドキドキしながら書いています。

今日はスタッフが7人という大所帯でにぎやかに工房がスタートしました。
それぞれ「身軽」「タンスの順番」「体にしっくりくる長さ」「紆余曲折」「過去の夢」「仲間の印」のことばのかたちを作り始めていると、いつものように子どもたちがやってきます。
子どもたちがやってくると、いつもの「何やってんのー?」から始まりますが、ここ1、2回は壁に貼ってあることばを指して「どれ作ってるの?」と聞いてくる子や、『一緒に作りませんか?』というポスターを作ってくれる子もいて、ことばのかたち工房をその子なりに受け止めたり、自分なりのかかわり方をしようとしてくれているのだなぁと感じました。

昨日ある男の子がかいてくれた「身軽」の設計図をもとにして、スタッフが作業に取り掛かろうとしていると、さぁ作るぞ今日はやるぞという雰囲気でその男の子がやってきました。
彼のように設計図をかいてイメージを膨らますというのもいいなと思い、今日は紙を何枚か用意しておきました。それを見つけた高学年の男の子たちが何をしたかというと…。紙ひこうきを折りはじめたのです。これは予想外というか、私たちの詰めが甘かったために、設計図をかくために用意した紙はたちまち紙ひこうきへと変わってゆくのでした。
設計図をかいてくれた男の子はその光景を横目でみながら作業に取り掛かります。彼は「身軽」をかたちにしたい、でも紙ひこうきという魅力あるものでも遊びたい、という2つの想いの中で葛藤していたように思います。
そして彼は、古着で紙ひこうきを作るという素敵なひらめきをし、行動にでたのです。Yシャツのように少しパリッとした素材を選び、スタッフに正方形の作り方を教えてもらいながら布を切り取り、折り目をつけてグルーガンで固定すると、ちゃんと紙ひこうきのかたちになりました。
しかし、問題は飛ぶかどうかということです。工房を出て飛ばしてみると…。 なんとひこうきは飛んだのです。正直なところ、布でつくったひこうきは飛ばないのではないかと思っていた私たちは驚きを隠せませんでした。
そしてその”布ひこうき”が、もともとのコンセプトとしてあった気球を引っ張ったらどうかというアイディアが生まれ、「身軽」ということばのかたちができあがりました。
彼はそのあとも工房で古着を切ったりくっつけたり結んだり…と存分に遊び、その後の片付けも手伝ってくれました。そんな彼が帰るときになんとなく名残惜しい気がしたのは私だけではなかったと思います。

今日の午後はいつもより子どもが少なく静かなスタートでしたが、スタッフが黙々と作品をつくっていると ぽつりぽつりと子どもたちがやってきます。
私は「紆余曲折」を仕上げ、他のスタッフがとりかかっていた「塩」のことばのかたちの作業に加わりました。最初は「塩」ということばから「汗」を連想し、布を小さく切って結んで「毛穴」のかたちを作っていました。そこへ1・2年生の女の子が「私もつくりたい」と遊びに来てくれました。「塩」について聞いてみると「小さくて丸い」「海の水みたいにしょっぱい」ということを教えてくれたので、みんなで布を小さく切って結んで丸い形をつくり、平面に貼り付けて海みたいにしようということになりなした。無数の塩をつくるのに、古着を切る人、結ぶ人、グルーをつける人、「塩」を貼る人と、見事な連携プレーで「塩」のことばのかたちができました。

「体にしっくりくる長さ」ということばのかたちをつくっているスタッフがイメージがまとまらず、一緒に考えていると、最近縄跳びをがんばっている女の子が近くにいました。彼女に縄跳びの縄を体にしっくりくるようにするにはかどうするかと尋ねると、体に合わせて縄を調節すると答えてくれました。私も小学生の頃に縄跳びをがんばっていたときがあって、縄を結んで長さを調節していたことを思いだしました。「結ぶ」「調節」「天女の羽衣」「包帯」「ひも付きの手袋」というキーワードがあがり、そこからことばのかたちができました。

「タンスの順番」は、タンスを並べることで順番ができるのではないかということで、まずは大きさ・高さ・色の濃さと目に見える変化で順番を作っていこうと作業にとりかかっていました。そこへ女の子が、わたしも作りたいと手伝ってくれることになり、そのタンスを使う人の年齢の順番(1番大きいのはおじいちゃん、次がおにいちゃん、1番小さいのが妹)を、タンスの中身をつくって付け足していました。そして作る過程でも小さいものから順番にできあがっていったようです。
タンスがまるでミニチュアの家具のようだったことから連想したのか、その横ではベッドをつくっている女の子もいました。

ことばのかたち工房では使う素材が古着、道具がハサミとグルーガンというように作品を作る条件が限られています。すると、柱や箱のように硬さ・頑丈さ・直線を出したいものを作りたいときに、「こうゆう風にしたいんだけど布だとちょっと無理かな、できないかなぁ。。。」と思ってしまうことがあります。
しかし、ここではたくさんの人と一緒に作ったりおしゃべりしたりすることでアイディアがうかんだり、遊びの中から生まれたものなどをうまく作品に取り込むことでなんとか理想や目標に近づいていくことが多くあるのです。 最初のころは平面の作品が多いように思いますが、今では立体にすることも難なくこなしてしまいます。
今日、古着で作った紙ひこうき(布ひこうき)が飛んだ時、私は「もはや布でできないものはないのではないか」と思わされました。そして次のことばのかたち工房がより楽しみになるのでした。

次回は来週金曜日、1月23・24日です。
どんなことばのかたちができるのか今から楽しみです。

2009年1月17日土曜日

第6回 ことばのかたち工房 1月16日





はじめまして。アーティスト・イン・実行委員会の百瀬雄太です。本日の工房の様子は僕の方からお伝えします。稚拙な文章ですが、臼井とは違う僕なりの目線で工房の様子をお伝えすることができたらと思いますので、よろしくお願いします。

今日の工房では、「目立たない汚れ」ということばのかたちが完成しました。

午前中に僕と臼井でコンセプトを話し合い作業に取り掛かかったのですが、それも束の間、遊戯室で遊んでいた三歳くらいの子どもたちが工房へやってきて工房内は一時嵐のような戦いの場と化しました。

「僕はアンパンマンだ!悪いやつは許さないぞ!!」と大きな声で何十回も言い放ち、猪突猛進の勢いで「悪いやつ」を退治しにやってきた子どもたちを前に、僕らも怪獣や悪役になりきって立ち向かいます。

「うおお!」、「そんな攻撃きかぬわ!」と彼らといっしょに遊びに没頭していると一向に作業が進みません。
でも、そうしたやり取りが功を奏し、臼井が「問題です!『汚れ』ってなーんだ?」と、なぞなぞ形式で彼らに作品のコンセプトを考えてもらったり、「汚れ」のかたちの絵をイメージして段ボールに書いてもらったりすることができたので、その「汚れ」のかたちをもとにして「目立たない汚れ」のかたちが完成しました。

一見「作業の邪魔」と思える遊び。でも、時には彼らと同じ世界観に没頭して遊んでみることが、彼らとコミュニケーションをとる上ではすごく大事なことなんじゃないかと思いました。

午前中とはうって変わって、午後の工房は終始穏やかな時間が流れていました。僕は女の子二人組と話をしたりしながら「ワイン専用」に使うブドウやグラスを作っていました。
 
彼女たちと話したり作業をしたりしながら、改めて、毎回色々なスタッフが工房で作業をして子供たちと関わりを持っていることの大切さを実感しました。
「うっすん(臼井)がいるからちょっと作業手伝おう」とか、「ももちゃん(百瀬)がいるからちょっと行こう」とか、スタッフとの相性が子どもたちの工房への参加に影響しているでしょう。だから、今までのスタッフになじめないから工房に入ってこれなかった子がいたとすれば、ひょっとしたら新たなスタッフが加わることで工房に遊びにくることができるようになるかもしれない。そう思うと、今まで以上にいろいろな人たちに工房へ参加して子供たちといっしょに作業をしてほしいと強く思いました。「ことばのかたち工房」で大切なことのひとつは、児童館に遊びに来たすべての子どもたちに工房が開かれていることですからね。
 
工房は明日も開かれます。明日は工房スタッフも7人と多いので、ワイワイガヤガヤ元気で楽しい工房になりそうなので楽しみです。