2009年10月8日木曜日

10月7日(水) 解体+

10月7日

「ことばのかたち工房」で材料となる古着を、あらかじめ解体したらどうなるかを実験。

縫い目に沿ってハサミを入れる

え?なんでこんなくっつけ方してるの?

服を解体すると、服の構造をよりよく理解できます。

そういえば、モンゴルかどっかの仕立て屋さんは、修行するときまずは古着を解体する作業から始めるって聞いたことがある。

KOSUGE1-16の土谷さんからも、自転車を完膚なきまでに解体するワークショップの話を聞いたことがある。

ズボンの腰、裾の部分。

ものの構造を把握するには、まずは解体するのが一番いいらしい。

じゃあ、社会のしくみも?

袖、リブ、チャック、ポケット、変なヒモetc.

今後は子どもたちと、ハサミ使いがプロくなる特訓も兼ねて、ザクザクいってみたいと思いまーす。

臼井 隆志

2009年10月4日日曜日

10月3日(土) 子どもの夢・・・

10月3日(土)

事務局メンバーと第二回招待作家の北澤さんで、館長さんと職員さんとミーティングをしてきました。ぼくたちからは、今後の活動内容とスケジュールの確認。それから、ケガや個人情報保護の問題対策について。

北澤さんからは、「浮島」滞在のためにしばらく停止していたプロジェクト「児童館の新住民史」の具体的な内容について。日々の些細な出来事が文字と絵になって児童館に残っていくこの活動。何もしていないように見せかけて、流れゆく日々に輪郭をあたえてゆきます。



心に深く残っているのは、北澤さんの話に対する、職員の信さんのコメント。

「具体的な話はできないけど、事実だけじゃなくて、子どもたちの夢というか妄想というか、そういうものが見えてきたら面白いと思うな。それは希望なのかも知れないし、社会への批判なのかも知れないし・・・。でもそれが叶うような、そんな発展性を見せてくれると嬉しい」

それに対して北澤さんは、

「すぐにはできないけれど、活動していく中で自然と子どもたちが小さな夢の実現に向かって動き出すような、そこまで目指したいと思っています」と。

記憶があやふやなので、こう言っていたかどうかは定かではありません。これを読んだ方は、「ふーん」という程度にしか思わないかもしれないけれど、この会話はぼくたちにとって消化しきれないくらい、とても大きな意味を持つものです。

ぜひ、「どうして?」と思ってください。

とにかく、とてもとても嬉しかったのでした。

臼井 隆志

2009年10月1日木曜日

10月1日(木) 上野動物園へ

10月1日(木)

今日は「都民の日」ということで、春日町児童館の学童クラブの遠足で上野動物園に行ってきました。春日町児童館の学童クラブは、以前東大泉児童館でとてもお世話になったかばちゃんの今の職場。


30人の子どもらと乗り込んだ動物園は超満員。動物たちは全員あからさまにストレスを抱えている感じで、サイやオケピは苛立ちがピークに達していました…。それでも、ゴリラ、ペンギン、コウモリ、プレーリードッグなどなど、動物をたくさん見ることができたのは楽しかったです。両性類・爬虫類館のワニは、いつまでも見ていたかった…。


しかし、一緒に行動した彼らの好奇心というか、探究心には驚かされました。コワイとかカワイイという単純な感想を抱くでも、珍しい動物を見たことをステータスとするでもなく、その動物を食い入るように見つめ、鼓動と血の流れを感じ、そいつらの暮らしに想いを馳せようとするまなざし。いつまでも、そのまなざしにつきあっていたいと思うのですが、「みんな先行っちゃったよ、次行くよ」と立場上言わざるを得ない悲しさ。


学童に帰ってきてからも、18時までクラブで遊んでいました。池上がゴリラのものまねをしただけで発狂せんばかりの大爆笑。遠足の高揚感はいつまでも彼らを昂ぶらせていました。

また会いにいこう。

2009年9月27日日曜日

9月27日(日) 小さな森のコンサート



9月27日(日)

朝一番で読売新聞を買いに行って、あまりの写真の大きさにショックを受け、それを引きずりながらパソコンの前に座って唸りながら書類を作っていた今日の前半。

夕方から出かけようと思っていたのですが、ちょっと早めに家を出て、いつも遊んでいるみどり公園をぷらぷらすることにしました。公園のほうへプィーっと自転車をこいでいくと、何やら金管楽器の音がするではないですか。見てみると、そこではコンサートが行われていました。


『小さな森のコンサート』 出演:金管五重奏団「音泉」

これは!と思って公園に入ろうとしたら、児童館の地域懇談会で知りあった中嶋さんがいらっしゃってプログラムを渡してくれました。木に寄りかかりながら、しばらく音楽に身を浸していました。

中嶋さんたち「みどり広場運営委員会」は、公園を面白く使っていこうとこの企画をつくったそうです。他にも、幼稚園児や未就学児とお母さんたちが集まって外遊びやピクニックをする「遊ぼう会」など、いろんな活動をされています。



小さなコンサートだけど、このコンサートを開くまでにいろんなことがあったんだろうな。近隣の方に理解を求めるのとか、広報とか、大変だったんだろうな。町の公園でコンサートを開く・・・小さなことなんだけど、実際にそれをかたちにしたことはすごいことです。「私はこんなことがしたいんだ」とか「すげえでかいことやってやる」とか言っているだけの人よりも、小さくても、ひたむきにつくりつづけるような姿勢にぼくは心を打たれます。そういう人たちに出会うと、そうだよな、それしかないよな、と確かめることができます。

大きな勇気をもらった秋の午後。公園では蝉が小さく鳴いていて、風はふんわりと冷たく吹いていました。

臼井 隆志

9月27日(日) 読売新聞 掲載

9月27日(日)読売新聞の「広告のページ」に、臼井のインタビュー記事が掲載されています。

うーん。変な感じだ。


2009年9月20日日曜日

2つのことばのかたち

ナチュラル


    

2009年9月19日土曜日

9月17日(木) まちのロビー。墨東まち見世2009



9月17日、「東京アートポイント計画」のメイン事業、「墨東まち見世2009」が開催される、向島エリアに行ってきました。

目的は、劇作家の岸井大輔さんが繰り広げる「墨東まち見世ロビー」を体験しにいくこと。なかなか活気のある商店街の中でもひときわ異様な存在感を放つその空間。両サイドの黒板には、子どもたちが立ち寄って絵を描いていくそうです。



「ん?なんじゃ!?」と思って立ち寄る人たちに岸井さんは声をかけ、商店街で買ったお茶やお菓子をふるまって、お話をします。と言っても、自分の活動を説明するのはわずかで、相手のやっていることや興味のあることを自然に聴きだしていきます。さすが「劇作家」。そこでの出会いから即興的に演劇を作り上げているのですね。この空間と岸井さんのふるまいから、関係性の網目が町の中に広がっていくような、そんな浸透圧のある岸井さんの「作品」。必見です。


左端が岸井大輔さん

そんな墨東まち見世ロビーですが、実はこの日「アーティスト・インの条件」というタイトルのトークイベント(というか座談会)が行われていたのです。一応話す人は岸井さんと僕。お客さんは5人。でも、お客さんとスピーカーの住み分けなんか本当にどうでもよくなってくる素敵な座談会でした。

第1部では、アーティスト・イン・児童館の活動紹介と、その考え方の紹介。



第2部では、「アーティスト・インの条件」の本題。「まちなか」にアーティストを投入する「東京アートポイント計画」ですが、これは本当はどうあるべきなの?という議論を、岸井さんと東京文化発信プロジェクト室の石田さんが熱く繰り広げていきます。「素人/趣味がいい/玄人ウケ/すごい」という4段階のざっくりした岸井さんの分類は適格。[趣味がいい]は、なんか面白くなるかも!といろんな人に予感させられる人。[玄人ウケ]は展示をして作品だけで威力を発揮できる人。[すごい]は、アートに興味が全くない人にも、面白い!と思わせることができる人。「[趣味がいい]と[玄人ウケ]の中間ぐらいの人たちがまちなかで多く活動しているように思うけど、本当は[すごい]のレベルじゃないとまちなかで活動しちゃいけないと思う」という彼の意見にも納得。



そんな話で熱くなっていたら、ひょんな来客。日本の北端から自転車の旅をしてきた2人が到着!南端からくる別のグループと、このロビーを待ち合わせ場所にしていると聞いた途端に、岸井さんは早速お茶を出し、石田さんは隣のてんぷら屋でてんぷらを買ってふるまう。「あざーっす!」ともぐもぐ食べる。あっというまにロビーの日常に溶け込んでしまう始末。なんとも不思議なこの感覚。

そんな即興ホームコメディをはさみつつ、第3部。ここからは、岸井さんを中心とした話題。「東京のアートに必要なものは何か?」という議論です。この結論、逆説ですが「アートは必要だ、という実感が必要」というもの。実感とは、体験、イメージ、言葉によって生まれるという岸井さんの説明はとってもわかりやすい。では、一体アートとは何か!?という話になります。つくること、表現すること、逸脱すること、いろいろありますが、要するに人間にとって普遍的な行為なのかなと思います。でもそれに対して意識的であるかどうか…アートとそうでないものを隔てるのは、それだけのことなのでしょう。

まとめとして、「東京アートポイント計画の課題」を明確にして、トークを終わりました。その課題とは、東京のまちなかで繰り広げられる様々な活動を、いかにそれがアートであると説明するのか。「あぁ、前衛なのね」というしょっぱい了解をされるのではなく、「つくること」「表現すること」の意味を「アート」という括弧の中で多くの人と共有することができるのかどうか。

うーん、ぼくらとしてはたぶん関わった人たちが楽しければ何でもいいのだけれど、「アーティスト・イン・~」と言って、アートを語る以上、それをアートとして説明できなきゃ恰好がつかないと。しかし、岸井大輔さん、相当面白かった。何が面白いかは、会いに行けばわかります。ぜひぜひ皆様、墨東まち見世ロビーへ足を運んでみてください。