2008年11月15日土曜日

第三回ことばのかたち工房 11月15日 




ことばのかたち工房 6日目。今日の現場のテンションは、「異様」の一言でした。

午前中はいつもどおり子どもたちは少なめで、淡々と作業が進みましたが、午後も、近所で焼き芋大会をしていたので、いつもより少なめ。そのせいか、ドッジボールもキックベースも盛り上がらず、ことばのかたち工房にたくさん集まっていました。

午後の2時を過ぎたあたりから、工房はその雰囲気に変化を見せ始めます。

「なんじゃボケェ!!!!どけゴルァ!ボケェ!!」
素材の中の胴着の帯を振り回す男子。

「あたし天才だから!子どもは偉いんだよ!」
「高級感」ということばのかたちをつくるために、次々とおとなに過酷な要求をする女子。

「手術!!!(ドスッ!!)」
作業台にしていたダンボールにハサミをぶっ刺し、爆笑する男子たち。

「お姫様ベッドつくって、ねまーす・・・。」
華やかな布を集めて、本当に寝始める女子。

「男の子が怖いからやだ!」
ダンボールで囲いをつくって、作業を続ける女子たち。

スタッフが作業をする傍ら、いろんな出来事が展開していました。もちろん、一緒に「ことばのかたち」を作っている子たちもたくさんいます。でもそれだけでなく、遊んでいるやつらとも場所を共有することの大切さって、あると思います。そりゃぁ、やつらのわけのわからない遊びにつきあわされたり、殴られたり、プロレス技かけたり、大変だけど。

ことばのかたち工房には、いくつもの「世界」が混在しているんです。低学年の女の子たちの世界。あばれたがりの男の子達の世界、高学年の女子の世界、スタッフ同士のちょっと大人な会話の世界。それぞれがいろんな影響を与え合って、どこかで作品と関わりながら、いろんな世界が「工房」を成り立たせています。この工房では、作品だけではなく、人と作品とことばとふるまいによって「世界」が、そうした「世界」が関わり合って生まれる「記憶」たちが、同時に生まれているんです。

また、二日連続でやっていたことも功を奏し、昨日来てくれた二年生の女の子が、今日も来てくれたり、ギャル予備軍のうちの一人が、ともだちを連れてきてくれたり、昨日した「約束」がつながりを生んでくれました。

「また12月の最初の金曜日にやるよ!」

「わかった!じゃあ、またね!」

継続していくことで、生まれ、かたちをかえていく、彼や彼女たちとの“あいだ”に、ぼくたちが目指すものがあるんだと、実感した一日でした。