2008年11月1日土曜日

第二回 ことばのかたち工房 11月1日






今日は、第二回ことばのかたち工房の二日目でした。

今日のテーマは、こどもをいかに巻き込むか。作品を仕上げることよりも、巻き込むことに重点を置いてみました。
午前中から午後にかけてはのんびりした雰囲気で、学童クラブの女の子を中心に6~7人で活動していたのですが、こどもたちの反応は様々。「つくりたいけど、つくりたくない!」と言って、ただ見てるだけの子がいたり、一緒にやろうと声かけしても、「やだ。」と拒否して、自分が作りたいものを作ったり、服にまみれて遊んだり。児童館で遊んでいるこどもたちと一緒に作るには、大人が彼らの遊びの世界に飛び込んでみることが、一つのブレイクスルーなんじゃないかな、と思います。

「ことばのかたち」じゃなく、こどもたちが自由につくった作品を「あそびのかたち」と呼ぶことにしました。(昨日は『いちご』、今日は『べんりべんりバッグ』という作品が生まれました。)



そして、午後の卓球クラブがおわってから高学年の激しい男子たちがなだれ込んできてからは雰囲気は一転。

プロレスを挑まれたり、人に乗っかったり、服の山にもぐったり、やりたい放題。
はじめは「あぁそんなことしたらあぶない!」と注意をしながら、どうしよう・・・と困惑状態だったスタッフ一同ですが、注意ばっかりしても仕方ないので、あえてその遊びの台風の中に飛び込んでみました。

一緒に服の中にもぐったり、プロレスの挑戦を受けてギブアップさせたり。

そんなことをしばらくしたあと、
「はい!もう終わり!ここは作業をする場所だから出てってください!暴れる人は退場。」
とぼくは、自分が暴れたにも関わらず権力的な発言をします。
こどもたちは「あーごめんなさーい」なんてへらへら笑いながら、全然その発言を受け入れて暴れることをやめる気配はないんですけど。
相変わらずプロレスを挑んでくるやつらに対して
「おれは今『清潔』を作っています!『清潔』に関係ないことしません!おまえらも一緒にやるか!?」
というと、
「『清潔』!?あぁ!?やってやるよ!!!」
と、俄然『清潔』っぽい柄の布を集め始めます。そこから、特に花柄のシルクの素材を集めていた男の子と一緒に『清潔』を作ることになりました。カオスから秩序が生まれた瞬間だったのでしょうか・・・?

一方そのころ、ほかのプロレス男子たちは、『火には弱い』を考えだしたようです。
「なぞなぞです!火には弱いけどハサミでは切れないモノってなんでしょう!?」
と問いを立てられると、正解を当てずにはいられないのか、一生懸命考え始めます。
スタッフも、面白い答えが出るまで、「それ正解!」とは言おうとしません。本当は正解なんてありませんから。
最後のほうになって出た答えは「家」。それいいね!とぼくが声をかけたのをきっかけに、服をたたんで積み重ね、「家」のかたちをつくる作業を始めました。
もちろん、たたむなんて律儀な作業を彼らがやりたがるはずもなく、邪魔ばっかりしてたのですが…。

男子による激しい盛り上がりを見せる前に、いつも土曜日の午後には必ず来てる子がやってきて、スタッフが作っていたものを引き継いで、台風の最中、一生懸命パッチワーク的なものを作ってくれていました。それが今日仕上がった「ことばのかたち」でした。ことばは『空気孔』。ものすごい集中力でした。ありがとう。

その他、継続中の作品は
『びしょぬれ』
『火には弱い』×2
『別人』
『あたりさわりのない色』(昨日のアイデアマンが今日来ていなかったので、次回に持ち越し)
『初めての冬』
です。

今日は初めて西尾さんが来てくれて、工房の方針や作品の作り方などの意見交換をすることもできました。次回以降、「ことばのかたち工房」がどう進化していくか、どうぞご期待ください!