2009年2月5日木曜日

北本アーツキャンプに参戦







リポートは遅くなりましたが、1月31日、2月1日の二日間、泊まりがけで埼玉県北本市で行われた「北本アーツキャンプ」に参加してきました。

「北本アーツキャンプ」は北本市でこれから展開されていくアートプロジェクトの方向性を参加アーティストや運営チーム、北本市民の方々と一緒に考えていく公開ミーティングです。地域と芸術との関係のあり方に注目が集まる中で、また一つ埼玉県から新しい出来事が始まろうとしています。そこに今回のディレクターを務める水戸芸術館の森司さんからお誘いいただいて、ぼくらは埼玉県に乗り込むことになりました。

ですが、このプロジェクト、ぼくらが行く前の段階では、市全体を巻き込んで展開していくことと、2年間で何かしらの成果を出さなきゃいけないということ以外は何も決まっていませんでした。そんなプロジェクトの立ち上げから参加できるなんて、異例中の異例です。2日間にわたる今回の「キャンプ」は、ゆるく、そして濃かった・・・。

集まったメンバーはそうそうたる顔ぶれ。今回のアーツキャンプの主催である美術家の藤浩志さん、水戸芸術館の森さん、東京芸大の熊倉純子さんを筆頭に、参加アーティストのおなじみ西尾美也さん、KOSUGE1-16のお二人、北千住にあるオープンスペースおっとり舎を運営する大和田俊さん、デザイナーの川村格夫さん、wahの南川憲二さん、パフォーマーの矢口克信さん、、病院の村の北澤潤さんなどなど。こうしたメンバーに、一般市民の方や、取手アートプロジェクトをはじめとする美術関係者の方々を交えてディスカッションが行われたのです。

今回のプロジェクトの大きな目的は「アートを持続可能なものにすること」。町の中にアート作品を置いて観光資源にするだけではなく、地域のいろんな場所や活動の魅力を掘り起こし、アートなるものが“生まれ続けるシステム”をつくることなのだとか。アーティストを呼び込み、作品制作の作業が地域のいろんな活動に絡んでいくような仕組みですね。なるほどその意味では「アーティスト・イン・児童館」と、目指すところは似ています。北本がアートのための広大な“畑”なら、児童館はさしずめ“鉢植え”。いずれにせよ、土を耕す人(地域で活動する人・児童館の職員さん)がいて、そこに種を植える人(アーティスト)が来て、水をまく人がいて(運営する人)、収穫する人(キュレーター・ギャラリスト)が作品を出荷していく。でも、本当はそこに明確な役割分担なんてなくて、全部みんなでやらなくちゃいけない。地域の人も、アーティストも、実行委員会もキュレーターも、対等な立場で「アート」なるものを育て収穫する、農耕型のアートプロジェクトであるという点で、北本で起ころうとしていることと、アーティスト・イン・児童館は似ているなぁと思いました。正確にいえば、似せていかなくちゃ!と思ったのですが。

フィールドのリサーチ、企画の立案・運営、広報・出版といった様々な仕事を、プロフェッショナルを集めて遂行するのではなく、地域の人たちへと開いて、絡み合いながら進行していく必要があるのでしょう。

さてさて、そんなことを考えさせられた北本は、これから長い付き合いになりそうです。というのも、ぼくと百瀬が「北本アートプロジェクト(仮)」の事務局?をすることになったからです。ここで(仮)とか?とかが登場する時点できわめて曖昧なわけですが…。そんなこんなで、現在、必死で北本アートプロジェクトの企画書を書いています。

さて、今後どうなっていくのでしょう・・・?

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