2008年12月6日土曜日

第四回 ことばのかたち工房 12月6日




ことばのかたち工房8日目。今日のスタッフは8人(全員大学生)と、大所帯。そのせいか、現場のテンションはなかなかハイでした。

初めて来てくれたスタッフが4人もいて、「ことばのかたちってどうやって作ればいいんだ?」という困惑から始まったようです。こどもたちは好き勝手暴れるし、並んでる言葉からカタチがうまくイメージできないし。でも、ほかのスタッフと一緒にしたりこどもたちにアイデアを聞いたりして、徐々に自分なりのやり方をつかんでくれていたようです。

連想されるイメージをかたちにする、といったとき、イメージされるものが抽象か具象かでなかなか違います。「机」とか「コップ」とかいった具象を思いついて作業を始めようと思っても、「でもそれじゃぁつまらないなぁ…」というのでウンウン悩むこともしばしば。かといって抽象的なイメージじゃ人に伝わらない。なにかを生み出すことの苦しみと楽しさの両方をいつも感じています。

こどもたちは、そんな風に悩むぼくらに「早くやれよ!」とか「ずっと考えてるね。なにをそんなに考えてるの?」なんて言ってきます。そう言いながら、スタッフの作業を見たり手伝ったり、あるいは自分のものとしてやり始めたりします。飽きていなくなったりすることもあるけど、懸命に作業を続けるスタッフのところに戻ってきて、「まだやってたのかよ!」とか言いながら、できつつあるかたちにわくわくした顔を見せてきます。「生みの苦しみ」の現場で遊ぶ彼らは、一体どんなことを感じ、将来その思い出にどんな意味を持たせるのでしょう?

そんなこんなで生まれたかたちは合計5つ。作業中のものがなかなかたまってきてるので、次回はサクサク仕上げていきたいと思います。




それから、今日の昼下がりのこと。男子3人と一緒に、近所の文房具店に自転車でグルーガンのノリを買いに行きました。その旅の途中、一人がこんなことを言いました。

「展覧会に(作品を)出すんだろ?本気でやらなきゃやべえよな。」

いつも、ぼくはこどもたちのことを「彼ら」と呼び、スタッフのことを「ぼくら」と呼んで分けていたけど、このとき作品を作る主体が誰なのか、わからなくなりました。いつも邪魔をしにくる彼らだけど、大きな目的を徐々に共有しつつあるのかととてもうれしくなりました。
戻ってきてからはいつもと同じ「早くやれよ」と命令口調だったのですが。