2009年1月24日土曜日

第7回ことばのかたち工房 1月23日

 

 

 


 

こんにちは。百瀬です。


今日の工房はスタッフの数が過去最大の大所帯。工房には、合計11人ものスタッフがいて、音楽室はいつもより狭く感じられました。中には筑波大学からわざわざ足を運んでくれた方の姿もありました。

そんな大所帯の手により、今日は4つのことばのかたちが出来上がりました。
「安い」「耐久力」「子どものおさがり」「仲間のしるし」。
中でもぼくが印象的だったのは「仲間のしるし」のかたちでした。
白い布地と綺麗な石という共通性を持たせた作品をたくさん作って、ことばのかたち工房で作業をするみんなの「仲間のしるし」を作ってしまおうというなんとも楽しい作業でした。コンセプトはみんな一緒なのに、実際に出来上がるかたちはネックレスのようなものから、首輪、ブレスレット、はたまた帽子にいたるまで、同じコンセプトでもみんなつくるものは本当に様々、個性が光ります。そんな、すごく素敵なことばのかたち工房の仲間たちの「仲間のしるし」ができ上がりました。
 
今日の僕はというと、一日中「安い」のかたちを考え続けていました。前回の工房で、ある女の子が「『安い』っていうのはね、うれしいとき、悲しいとき、苦しい時に声をかけてくれることだよ」と言っていて、僕は思わずあっけにとられてしまいました。「安い」ということばからそんな意味を引き出すのか!…。衝撃を受けた僕は、このコンセプトを活かした作品をどうしても作りたいと強く思い制作に取り掛かりました。
 ときに彼らは、僕らがまったく思いもしないようなモノを「ことば」から引き出してきます。それは常識的にはおかしなものかもしれません。間違っているのかもしれません。けれど、そこには僕らが常識として身につけてしまったものや考えを覆す何かが潜んでいるのかもしれません。単に間違いとして正してしまうべきではない何か。彼らなりの何か。彼らが頭を振りしぼって考え出した答え。工房では、そういう彼らの「世界」を大切にしたいと思っています。何より、彼らと彼らの「世界」と向き合うことは本当に楽しいことですから。そんな風にして工房での作業に胸躍らせるスタッフたちの顔はいつも笑顔です。

明日はどんなことばが出てくるのか。そしてこどもたちといっしょにどんなかたちが作り上げられていくのか。今から楽しみです。